植野稔の自然遊悠学 イワナだ! ヤマメだ! 山菜だ! きのこだ!!

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2008年 03月 11日

沢を歩く

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by yuyugaku-ueno | 2008-03-11 10:16
2008年 03月 10日

110 今日の下野その近況

    雪から雨へ
 下の写真は今日の3時30分頃の中三依にある、男鹿川です。これから、このポイントから、定点観測します。

 只今の時間、3時10分。室内温度3度。寒くなく暖かい。

  これから、パソコン先生に教えてもらった、ブログの写真投稿に挑戦する。
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パソコン先生に3回教えてもらったのに、いざ写真を投稿してもブログ写真は出てこない。
 やむを得ず、パソコン先生に電話して、4回目の教え通りやったら、ブログ写真が出た。
 めでたしめでたし、本来なら赤飯を炊き、身を清め、神社に参拝してから、2回目のトライをする心境だが、60の手習い、「忘れないうちに同じ作業をやったほうが良い」というパソコン先生のアドバイスに従い、再度ブログ写真を実施する。次に失敗したら、パソコン先生から波紋されそうだから、慎重に事を進める。
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by yuyugaku-ueno | 2008-03-10 15:15 | 下野・会津だより
2008年 03月 10日

109 塩沢山

2 塩沢山(1263.9m.)    天気  晴れ
塩沢山に登る

大東亜戦争から復興し、右肩上がりの高度成長期にともない、戦後の第一次登山ブームに活躍した世代が再び中高年となって、現在の登山界をかろうじて支えている。されど、山登り対象者の大半が女性で占められている事実に対し、いささか不満を有しているのは、男を長期間やってきた小生も高年齢登山者のひとりとして、「男性人、頑張れ」とエールおくりたい。しかしながら、会社へ全身全霊を奉仕してしまい、窓際族、左遷、いじめに負けず、わずかな? 退職金を最後の夢と託すサラリーマンに、山を登る気力は失いがちである。

その影響もあって近年、短時間で山頂へ行けるボロボロ社会人コースが各地に開設され、人気も上々と聞き及んでいる。小生もヨレヨレ、ガタガタ人を自負しているから、これから歩く塩沢山がピッタンコ登山道なのだ。
 白い煙をひねりだしている炭焼き小屋群のある鬼怒川河川公園へ、ありったけの財算をはたいて購入したマイカーを駐車し、歩き始める。

大方、登山道付近に存在しているスギ造林地がここでもあり、足早に通過する。オンリーだと思っていたら、猟犬を訓練している同行者がいた。その人影を追い越し、先頭にでる。目標の地点に誰もいない幸せ感がなんともいえない。普段からトップになった業績がない悲しさ、反動もあって、ささいなことではあるが、この点はいつでも負けまいと意地をみせる。
 涸沢にある最後の水場から、山道は尾根に求める。スギからカラマツに変わった退屈な登山道に、ナラタケを宿主にしているツチアケビを見つける。早速、薬酒用に収穫する。
 地形図で判断する机上登山より、緩い登りに感謝しながら先を歩く。小生のボロボロ人生でもついていける、有り難い山であることを認識できた。

霧の発生時では戸惑う広い尾根に、チシマササが山道を覆いつくしている。先人の記した赤テープ伝いにルートをとる。この地点から塩沢山は目の前で、山頂に着いてから、衣類に付いたササダニ退治をしていると、猟犬を従えた中年の男がやってきた。
 最近発行された登山ガイド本による、ここからブナと記されていた地点のブナは数えられる本数しかなく、がっかりした。また、唯一の眺望である高原山には虎刈り状に、スキーゲレンデが無残な姿を演出していた。
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山行データ
 登山日
  2005年11月31日
 コースタイム
  国道121、塩沢山登山口~塩沢山 2時間
  塩沢山~塩沢山登山口 1時間40分
 地形図
  25,000分の一「五十里湖」
 アドバイス
  猟師たちによって踏み固められた杣道を歩く。主要分岐点に手書き指導標があるから、迷うことはない。


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by yuyugaku-ueno | 2008-03-10 14:46 | 登山
2008年 03月 10日

108    山菜教室・きのこ教室・渓流釣り教室の申し込み

    山菜教室・きのこ教室・渓流釣り教室の申し込み
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  電話 0288・79・7373
 
  FAX 0288・79・7373

  携帯 090・9018・3118

  e-mail
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by yuyugaku-ueno | 2008-03-10 14:32 | 岩魚サミット
2008年 03月 10日

107    きのこ狩りツアー

きのこ教室

ピカ一出汁チチタケ。極上スープ、タマゴタケを求めて雑木林トレッキング
~チチタケ激戦区での夏きのこ狩り~
~雑木林を彩る、きのこたちとの出会いに一喜一憂する~
■開催日    8月24日(日)
          8月31日(日)   

きのこ王道を極める、天然マイタケ狩り。遊悠学特選コースを行く
~きのこ狩りの王道、奥山きのこの横綱マイタケ狩りトレッキング~
~ひたすらマイタケを求めて山地を歩くきのこ狩り~
■開催日   9月13日(日)~14日(日)  1泊2日  3食付

日帰りきのこ狩りで、天然マイタケをものにできるミズナラ尾根に挑戦
~奥山に生えるマイタケを見つける山地トレッキング~
~奥山きのこの王様、マイタケを採集~
■開催日  9月20日(土)
        9月21日(日)   日帰り
        9月23日(火)
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マツタケ狩り。吉か凶か? アカマツ尾根上での真剣勝負
~きのこの王様マツタケを採る、里山トレッキング~
~マツタケ山にでる、きのこたちを同時に採集する~
■開催日   10月4日(土)
         10月5日(日)   日帰り

一度食べたい本命きのこホンシメジ、美景なる華ハナイグチを採る
~味の王様ホンシメジ、カラマツ林の本命ハナイグチを採集する~
~旬を迎えた、きのこたちを求めて山地をトレッキング~
■開催日    10月11日(土)~12日(日)~13日(月) 2泊3日 6食付

抜群の出汁に変身する、シモフリシメジ狩り
~晩秋きのこ、シモフリシメジを求めて山地トレッキング~
~深まる紅葉を見ながら、きのこ前線を占う~
■開催日   10月19日(日)   日帰り

第4回きのこ祭り、自然遊悠学感謝祭で盛大なきのこパーティーを実現
~山からの贈り物、山の幸、きのこをたたえ称賛する~
~自然遊悠学協賛、(株)イケテイによる参加者プレゼント~
■開催日   10月25日(土)~26日(日)  1泊2日 3食付

ナメコ、ムキタケ狩り&リフレッシュ健康になる果実酒つくりに挑む
~晩秋きのこナメコを採りながら、木の実(果実)採集~
~黄葉、紅葉に飾られたブナ林、雑木林トレッキング~
■開催日   11月1日(土)~2日(日)  1泊2日  3食付

自然に生えるナメコ、ムキタケで健康な身体を目指す、きのこ狩り
~落葉期に入ったブナ林でのきのこ狩り~
~冬鳥が見られる初冬の原生林トレッキング~
■開催日   11月8日(土)
         11月9日(日)   日帰り

不老不死きのこ薬酒で長生きを願う&健康になる果実酒で強靭な身体をつくる
~薬用にできるきのこ、果実酒にできる木の実を採集する~
~遠方まで見わたせる山地尾根を歩き、山の幸を見つける~
■開催日   11月22日(土)~23日(日)  1泊2日 3食付


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by yuyugaku-ueno | 2008-03-10 14:10 | きのこ教室
2008年 03月 10日

106     イワナ・ヤマメ釣り教室

イワナ・ヤマメ釣り教室

天然イワナを手にする、栃木県渓流解禁釣行
~渓流釣りの幕開け、解禁になったヤマメ、イワナを釣る~
~早春の渓流歩行術、早期のヤマメ、イワナのポイント攻略法を学ぶ~
■開催日    3月21日(金)解禁日
        3月22日(土)解禁2日目
        3月23日(日)解禁3日目   日帰り

のんびり行こう本流のヤマメ、イワナ釣り
~長竿、長仕掛けで豪快な本流に潜む大物魚を狙う釣行~
~本流釣りにおけるポイントとヤマメ、イワナをどのように攻略するのかを考える~
■開催日    3月29日(土)
          3月30日(日)     日帰り

みちのく渓流解禁釣行でイワナを手に入れる
~待ち望んでいたヤマメ、イワナ解禁の渓流にロッドを振り込む~
~残雪の渓流遡行法、早期釣行でのエサ選定、ポイントの攻め方を学ぶ~
■開催日    4月1日(火)    日帰り

源流のイワナ釣りでイワナを知る
~残雪の雪解けが落ち着いた、渓流の源流イワナを求めて釣行~
~本流から沢を遡行しながら、移り変わる渓流風景を観察する~
■開催日    4月19日(土)
          4月20日(日)    日帰り
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イワナだ!山菜だ!冒険だ!自然のなかを突進する
~米、味噌、調味料で暮らすキャンプ山行~
~渓流、山地にある現地調達の山の幸で3日間、キャンプ生活~
■開催日    5月3日(土)~4日(日)~5日(月)
          2泊3日  6食付
 
何もかも忘れ、奥地へ突っ込み大イワナを釣る、源流行
~大型イワナを求めて、奥地へ遡行し渓流釣りに専念するビバーク釣行~
~焚き火を囲みながらイワナを焼き、岩魚談義する渓流師の醍醐味がここにある~
■開催日    5月17日(土)~18日(日) 1泊2日  3食付


初参加で簡単に入れる沢イワナ釣りを実現する
~優しい沢を選び、そこに棲息するイワナを釣る~
~初心者向きの沢遡行技術、エサの選び方、沢イワナ釣りテクニックを講習~
■開催日   6月21日(土)
         6月22日(日)  日帰り

源流という桃源郷でイワナ釣り。山の魅力がここにある
~雪シロの終了した山岳奥地に棲むイワナ釣り~
~遡行の果てで出会うイワナを釣り、イワナ釣行の醍醐味を体験する~
■開催日    7月12日(土)
          7月13日(土)  日帰り

源流遡行、源流イワナの3日間。知られざる別天地に潜入できる喜びがある
~強力パーティーで挑む源流行~
~下流、中流、上流そして源流へ、ビバークを重ね山上に立つ~
■開催日   7月19日(土)~20日(日)~21日(月) 2泊3日 6食付


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by yuyugaku-ueno | 2008-03-10 14:03 | 山釣り教室
2008年 03月 10日

105    山菜教室

2008年 山菜教室

初春を感じる山菜、カラシナ採集・保存&冬鳥ウオッチング
~春一番で発生するカラシナの新芽を摘み、おひたし、塩漬け保存する~
~渡良瀬遊水地での越冬冬鳥を観察する~
■開催日    3月9日(日)  日帰り
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春を食べる、フキのとう・クレソン・ヨモギ・アサツキ・セリ採集
~春一番に芽をだす、天ぷらの材料をハンターする~
~フキのとう味噌で保存食をつくる~
■開催日  4月12日(土)
        4月13日(日)    日帰り

下野の名水を飲みながら、早春の山菜を丸ごと食べるトレッキング
~下野にある日本100名水、湧水地に行き名水を味わう~
~山麓では早春に芽が出た山菜を採集する~
■開催日   4月26日(土)
         4月27日(日)   日帰り

イワナだ!山菜だ!冒険だ!自然のなかを突進する
~米、味噌、調味料で暮らすキャンプ山行~
~渓流、山地にある現地調達の山の幸で3日間、キャンプ生活~
■開催日    5月3日(土)~4日(日)~5日(月)
       2泊3日  6食付

旬を迎えたコゴミ、シドケ、イラ、ウド、ウルイを採り食らう
~山里から山地へ山菜前線を求めてトレッキング~
~雪国ゆえ山菜を豊産する、この地の自然遺産を体験する~
■開催日    5月10日(土)
         5月11日(日)  日帰り

健康スタミナ源ギョウジャニンニク、ウド、シドケ、イラ、タラの芽を採る
~行者が密かにスタミナ源として食べていた、ギョウジャニンニクを採集する~
~旬に入った山地の山菜を求めて、奥山山菜トレッキング~
■開催日    5月24日(土)~25日(日) 1泊2日  3食付

無農薬だから健康に良い旬の山菜、ウド、シドケ、イラを採る
~山地をトレッキングしながら、品質良好に生長した山菜採集~
~新緑たけなわの森に入り、森林浴リフレッシュ。野鳥のいる風景は癒される~
■開催日    5月31日(土)
         6月1日(日)  日帰り

奥山の山菜を採集し、テントを張り新鮮な山菜を賞味する
~採りたての山菜を食べ、山地の豊かさを実感する~
~春に発生する、きのこを採集し、来るべききのこシーズンを占う~
■開催日    6月14日(土)~15日(日) 1泊2日  3食付

健康になる山菜の保存食をつくる
~古来、雪国で伝承されている山菜の保存食をつくる~
~盛期に入ったフキ、ミズナ、ゼンマイの保存食に挑戦する~
■開催日    6月28日(土)~29日(日) 2泊3日 3食付


盛期の山菜、フキ、ミズナを採り食べる。繊維質は元気に暮らせるもと
~大きく生長した保存食になる山菜採集~
~様々な料理に使える、山地の山菜を採集する~
■開催日    7月5日(土)
         7月6日(日)   日帰り


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by yuyugaku-ueno | 2008-03-10 13:53 | 山菜教室
2008年 03月 09日

104 チタケの話し

 
きのこ余談 チタケに群がる人たち 
 
きのこに触れると白い乳液が出て、しばらくすると黒褐色のシミを生じ、典型的といえる“きのこ形”を雑木林、ブナ・ミズナラ林に群生させるきのこをチチタケと呼んで、傘の径5~10cm、中央がくぼんでいる。傘、茎の色が黄褐色ゆえに林床の地上で存在を示すには十分なきのこである。

私のきのこ遍歴におけるチチタケのランクは近年までさほどの評価はなく、このきのこに出会っても積極的に採集をすることはなかった。ひどいときには足蹴りして、斜面をころがらせた。

“みちのく”に憑かれるように足繁く歩いたところ、青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島の東北におけるチチタケの食文化は私同様に低い。おそらくチチタケを食べる習慣がなかったのだろう。

東北であればきのこの本場だから、真夏にピークを迎えるチチタケ採りより、トンビマイタケ採集に明け暮れているのが現実である。

きのこの地方による食習慣は著しい。例えば長野県のハナイグチ、埼玉県、群馬県のイッポンシメジ(ウラベニホテイシメジ)、山形県のコウタケ(シシタケ)などのきのこは当事者たちにとって欠かすことはできないぐらい珍重する。

区木釣り竿を片手に漂流しながら到着した男鹿山麓にわらじを脱いだ。この地は海なし県、渓流釣り~山菜~きのこ~植物採集などアウトドアに関して並々ならぬ情熱を注いでいる。私は山遊びたちの群集に包囲されているのだ。
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2004年度における夏のある日、遭難事故多発。死亡3名、重症2名いずれもチタケ(栃木県でのチチタケの地方名)採りにおける滑落である。昨年は冷夏できのこは不作。今年こそ大量のきのこ収穫を夢みながら、まさか自分は事故など無縁とおもい事に当たり、不幸というべき命を山の神様に捧げてしまった。チタケこそ栃木県人にとって、きのこの王様ゆえに、多少の無理を惜しまない理由がある。

なぜ栃木県ではチタケ採りに明け暮れるのだろうか。

炊事を行う際、燃料を薪炭に依存していた時代、山麓から奥山まで山人による出入りがあり、枝拾い、落ち葉掻き、炭焼きなどの山手入れが日常的に行われていた。この時代、山は人による管理がなされていて、健康そのものであった。当然、雑木林からブナ・ミズナラ林に野生のきのこが豊かに自生していた。

真夏を頂点として、大量に発生するきのこがチタケである。このきのこは雑木林からブナ帯までの樹木に菌根菌を形成させ、他に類似する毒きのこもなく、比較的容易に採集できることに加え、個性の強い出汁を生むことができる。それは戦前から戦後にかけての食糧難時代における、栃木県民の胃袋を満たす役を担った。

時は現代、食についての志向は古今東西さほど変化はない。しかし、山に対して著しい変貌を遂げた。それは薪炭からプロパンガス・石油へと台所のエネルギー事情が一変し、山は野放し状態に陥った。それは、かつて山を生活の糧とした山人喪失を意味し、手入皆無の山麓を全国に生んだ。加えて、高度経済成長の担い手に原始林が伐採され、日本の山から急速に森が消えた。

原生林消滅。放置された雑木林の意味は山の地上部が富栄養化に陥り、林床の雑菌過多。両者の弊害はきのこシロの消滅につながった。以前におけるチタケ発生事情は知る手がかりを持たないものの、自生地における悲喜こもごもは優に想像できる。

現在におけるチタケ争奪は凄まじい。限りあるシロを求めて入れ替える時間もなく、きのこ採集人の往来は耐えない。それは採りやすい場所のきのこは皆無、足場の悪いところしか、目的のチタケはない。

前にふれたが、チタケに異常とおもえる執念を燃やすことは素晴らしい。問題はきのこと命と勝負に賭ける、栃木県人の青春をどのように理解するかだ。されど、私ごとだがイワナを地の果てまで追い求めた経験があり、一人の趣味人として、獲物と対峙する姿勢は清々しく、何かをとことん挑んだ者にしか分からない怪奇現象みたいなものがある。

8月25日、今年のチタケ騒動のピリオドをうつ涼しい風が吹いている。青森県付近に台風の目があり、それに誘われるかのような山風だから、やはりお盆をピークのアブが消え、アキアカネの姿態が空を点々と赤く染め、ススキも穂が実をつけ、男鹿の山は秋本番を迎えようとしている。


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by yuyugaku-ueno | 2008-03-09 17:29 | チタケ戦争どまんなか
2008年 03月 08日

103 奥利根の誘い

  奥利根のいざない

「おぎゃー」と声を発生し、子供は生まれるのだろうが、私にはその記憶はない。確かなことは産婆さんが赤子を抱き上げ、聖なる水かは定かではない産湯につけながら母親にむかって「元気な男の子ですよ」とでも言ったのだろう。こんな当たり前の会話は常識として想像できる。

1945年終戦の年に埼玉県の春日部というところで私は生まれた。私の父と母は小笠原島と呼ばれている南の小さな島、そこで生まれ育った。島国といえば漁そのもの、島一番の名人漁師の血統を母方にもっていた関係上、私は物心ついた頃から釣り竿を手に川遊びが日課になり、食糧難時代ではヤマベ、フナ、コイ、ナマズの川魚が貴重なタンパク源だった。

あれから40年余り、北海道から九州まで日本国中の魚止探訪の日々が続き、それなりのまとめができた。年と共に思い出すのは子供の頃の出来事で、その原点である産湯の源流に行きたい。そして魚止めの水を飲む。こんな単純な発想から利根入りを決意した。

長い間、こだわりのある渓流を選び歩き、その最後を飾る地として、生まれ故郷の渓々を釣行できる喜びは「渓流の釣り人で良かった」この一言に尽きる。

入渓に際し、参考にした本は、つり人社「奥利根」、新評社「渓流釣場事典」の2冊だった。いざ入渓となったものの、以上の書籍は内容が意味不明で役に立たず、結局、国土地理院発行の5万分の1の地形図をザックに収め、順次、水線を示す部分を読みとり、片っ端からしらみつぶしに谷々を踏査した。

「素晴らしい」思わず一人で微笑してしまう意外性のあった渓流の両岸には豊かなブナやミズナラが茂り、たとえ二次林でもコナラ、クヌギ、アカマツ林の中にはヤマメ・イワナが混生していた。それに反し、杉林に変えられてしまった渓では水量も少なく、谷は平場がほとんどで魚影も薄い。こんなことから森林(広葉樹と針葉樹)は多くの野生を育み、渓流釣りの二次的目的、山菜やきのこをも生むのだ。

く利根川の諸渓流をここで開示するに当たり、いくつかの苦言を申し述べておく。

イワナ・ヤマメという魚類の習性上、遡上を止める障害物、例えば堰提、滝の出現で魚は自力では遡れず、渓流は多々の魚止がある。魚止上部の魚は必ずそれぞれの目的のため、魚は上へ上へと人の手によって運ばれた。従って魚止とは渓魚にとって、魚を止めることであって、イワナやヤマメの棲息限界地ではない。私は魚の遡行止を魚止(魚止滝)、魚がこの地点上では生活できない地点を魚どまりと称して区別している。利根川水系では奥利根(奥利根湖)以外、かつての魚止滝以遠、つまり魚どまりまで渓流魚が棲息している渓流は多かった。

しかし、森林の伐採、車道延長、釣り人の乱獲、これらの3点セットで源流に魚のいない渓が目につく。「源流は桃源郷であってほしい」こんな願いは叶えられなく残念だったが、渓流単位で源流放流を試みる釣り人の出現がいくつか散見し、新たなる源流ロマンに私も微力ながら協力していくつもりである。

以上の点から、新しい魚どまりの公開は差し控える。ここの目的は渓の良さに加え、魚絞の旅とでも言って良い。いつきイワナの多様さ、渓を彩る山菜ときのこなどを主に様々な渓を解説してみたい。


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by yuyugaku-ueno | 2008-03-08 21:13
2008年 03月 08日

102 ムキタケ

ムキタケ<キシメジ科ワサビタケ属>


ムキタケのあらすじ
 ナメコ、クリタケと同じ晩秋に発生のピークを迎える、ムキタケ。主にコナラ、ミズナラの倒木、枯死木を求めるトレッキングになる。
採集後に料理、その淡白であらゆるきのこ一品料理に使える優れた名菌だ。

地方名あるいは愛称
 カワハギキノコ。カワムキ。ノドヤケ。ノドヤキ。スベラワカイ。モツキノコ。シナモタシ。カタハ。

発生時期
 10〜11月。

自生地
 コナラ、ブナ、ミズナラなどの広葉樹の倒木、立枯れ木、伐採根などに群生。

展示菌類名
 木材腐朽菌。

特徴と鑑定法
 きのこ傘は半円形で表面の皮は剥がれやすく、樹皮に重なって発生する。
 傘の径3〜20㎝、厚さ1〜2㎝。傘の色は淡黄色で、緑、紫、黒褐色を帯びることもあり、弱い粘性を生じる。傘肉は白色。
 ヒダは緻密で白色、柄に垂生する。
 柄は極短、太く材につく。
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胞子紋 
 白。

採り方
 樹皮を剥がさないように、きのこを手で上下に動かしながら採る。

下ごしらえ 
 塩入りの水にきのこを晒し、虫(白いショウジョウバエ幼虫)だし。柄の部分をV字状にハサミで切る。

保存方法
 1 ムキタケを軽く茹であげ、冷めたら塩漬け保存。
 2 ムキタケを軽く茹であげ、冷めたら茹で汁を入れて、冷凍保存。
 3 ムキタケを天日で干しあげ、乾燥保存。

料理 
 表面の皮をむくと、上品な料理に仕上がる。一般には皮むきは不要。
 クセのない独特のゼラチン質が喉ごしを滑らかにする万能きのこだから、あらゆる料理に合う。

大根おろし和え 
 柔らかいムキタケに醤油の香りをのせていただく。
 1 下ごしらえのムキタケを熱湯で軽く茹でる。 
 2 1を水につけて皮をむき、食べやすい大きさに手で裂き、水切り。
 3 醤油に2を含ませておく。
 4 食べる寸前に大根おろしと和える。
 5 器に4を盛りつけ。糸かつお節を天盛り。

バター炒め
 淡白きのこにター味をのせて、風味を加えていただく。
 1 鍋を火にかけ、バターを入れる。
 2 下ごしらえしたムキタケを食べやすい大きさに手で裂き、1に加え、塩、コショウで調味する。
 3 器に2を盛りつけ、刻みノリを天盛り。

特選お勧め、網焼き
 素朴なムキタケを醤油味でいただく。
 1 七輪に炭火をおこす。
 2 流水でムキタケ洗い、軽く搾り、食べやすい大きさに切る。
 3 ヒダを上にして、遠火の強火で網焼き。
 4 きのこに水分がでたら、焼きあがり。
 5 器に4を盛りつけ、醤油を数滴たらし、熱々をいただく。

清し汁
 日本料理の原点、汁物の奥義を探ることに挑戦する。
 1 きのこを水にひたす。
 2 鍋に1の全量を入れ、弱火にかける。
 3 きのこ出汁の味を確かめ、塩(少々)、醤油(数滴)を加える。
 4 器に3を盛りつけ、熱々をいただく。

味噌汁
 味噌の風味、きのこの出汁を合わせた味覚を楽しむ。
 1 鍋に水を入れ弱火にかけ、きのこを加える。
 2 きのこ出汁を確認し、味噌を溶いて味を整える。
 3 器に2を盛りつけ、刻みネギを天盛り。

ゴマ和え・じんだ和え・白和え・醤油マヨネーズ和え。
 和え物の具に使う。

孤軍奮闘記
 ナメコと同じく晩秋に発生する、奥山きのこがムキタケである。このきのこはナメコ採りでの最中で収穫できる安易さながら、味番付はトップクラスだ。

日帰りきのこ狩りでのナメコ目的でもムキタケが目にはいり、両者が豊作の年が重なることが多い。すでにナメコはザックに満杯、それでもムキタケは出ている。こんなとき、ムキタケを採るのか、採らないのか二者択一に迫われる。究極の選択に迷い、結局ムキタケを採集した結果、きのこの重みが肩に食い込み、その重量に耐えながら、山道をしどろもどろな状態で歩いた苦い経験があった。

きのこ狩りは獲物を発見、収穫するときが至福そのものだ。この一連の動作を実行する際、当然ながら、きのこを直に触れることになる。これまでに、数多いきのことの出合いがあった。処女きのこといえる、初めての対面も印象に残り良かろう。

更に、もう一つ、きのこに触れた瞬間、“冷たく柔らかい”感じの伝わる、きのこ特有の手触れ感が採集ムキタケにあり、それがたまらない魅力になっている。“ひんやり感”は多分、晩秋きのこの発生する気温のせいであろう。柔らかく感じるのはゼラチン層を持っているムキタケだから、感触が良く体験できて初めてムキタケというきのこを脳裏に記憶できる。だから、ムキタケ料理には和えものと、きのこのイメージが似合うのである。

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by yuyugaku-ueno | 2008-03-08 08:28 | きのこ図鑑