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2008年 03月 08日

102 ムキタケ

ムキタケ<キシメジ科ワサビタケ属>


ムキタケのあらすじ
 ナメコ、クリタケと同じ晩秋に発生のピークを迎える、ムキタケ。主にコナラ、ミズナラの倒木、枯死木を求めるトレッキングになる。
採集後に料理、その淡白であらゆるきのこ一品料理に使える優れた名菌だ。

地方名あるいは愛称
 カワハギキノコ。カワムキ。ノドヤケ。ノドヤキ。スベラワカイ。モツキノコ。シナモタシ。カタハ。

発生時期
 10〜11月。

自生地
 コナラ、ブナ、ミズナラなどの広葉樹の倒木、立枯れ木、伐採根などに群生。

展示菌類名
 木材腐朽菌。

特徴と鑑定法
 きのこ傘は半円形で表面の皮は剥がれやすく、樹皮に重なって発生する。
 傘の径3〜20㎝、厚さ1〜2㎝。傘の色は淡黄色で、緑、紫、黒褐色を帯びることもあり、弱い粘性を生じる。傘肉は白色。
 ヒダは緻密で白色、柄に垂生する。
 柄は極短、太く材につく。
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胞子紋 
 白。

採り方
 樹皮を剥がさないように、きのこを手で上下に動かしながら採る。

下ごしらえ 
 塩入りの水にきのこを晒し、虫(白いショウジョウバエ幼虫)だし。柄の部分をV字状にハサミで切る。

保存方法
 1 ムキタケを軽く茹であげ、冷めたら塩漬け保存。
 2 ムキタケを軽く茹であげ、冷めたら茹で汁を入れて、冷凍保存。
 3 ムキタケを天日で干しあげ、乾燥保存。

料理 
 表面の皮をむくと、上品な料理に仕上がる。一般には皮むきは不要。
 クセのない独特のゼラチン質が喉ごしを滑らかにする万能きのこだから、あらゆる料理に合う。

大根おろし和え 
 柔らかいムキタケに醤油の香りをのせていただく。
 1 下ごしらえのムキタケを熱湯で軽く茹でる。 
 2 1を水につけて皮をむき、食べやすい大きさに手で裂き、水切り。
 3 醤油に2を含ませておく。
 4 食べる寸前に大根おろしと和える。
 5 器に4を盛りつけ。糸かつお節を天盛り。

バター炒め
 淡白きのこにター味をのせて、風味を加えていただく。
 1 鍋を火にかけ、バターを入れる。
 2 下ごしらえしたムキタケを食べやすい大きさに手で裂き、1に加え、塩、コショウで調味する。
 3 器に2を盛りつけ、刻みノリを天盛り。

特選お勧め、網焼き
 素朴なムキタケを醤油味でいただく。
 1 七輪に炭火をおこす。
 2 流水でムキタケ洗い、軽く搾り、食べやすい大きさに切る。
 3 ヒダを上にして、遠火の強火で網焼き。
 4 きのこに水分がでたら、焼きあがり。
 5 器に4を盛りつけ、醤油を数滴たらし、熱々をいただく。

清し汁
 日本料理の原点、汁物の奥義を探ることに挑戦する。
 1 きのこを水にひたす。
 2 鍋に1の全量を入れ、弱火にかける。
 3 きのこ出汁の味を確かめ、塩(少々)、醤油(数滴)を加える。
 4 器に3を盛りつけ、熱々をいただく。

味噌汁
 味噌の風味、きのこの出汁を合わせた味覚を楽しむ。
 1 鍋に水を入れ弱火にかけ、きのこを加える。
 2 きのこ出汁を確認し、味噌を溶いて味を整える。
 3 器に2を盛りつけ、刻みネギを天盛り。

ゴマ和え・じんだ和え・白和え・醤油マヨネーズ和え。
 和え物の具に使う。

孤軍奮闘記
 ナメコと同じく晩秋に発生する、奥山きのこがムキタケである。このきのこはナメコ採りでの最中で収穫できる安易さながら、味番付はトップクラスだ。

日帰りきのこ狩りでのナメコ目的でもムキタケが目にはいり、両者が豊作の年が重なることが多い。すでにナメコはザックに満杯、それでもムキタケは出ている。こんなとき、ムキタケを採るのか、採らないのか二者択一に迫われる。究極の選択に迷い、結局ムキタケを採集した結果、きのこの重みが肩に食い込み、その重量に耐えながら、山道をしどろもどろな状態で歩いた苦い経験があった。

きのこ狩りは獲物を発見、収穫するときが至福そのものだ。この一連の動作を実行する際、当然ながら、きのこを直に触れることになる。これまでに、数多いきのことの出合いがあった。処女きのこといえる、初めての対面も印象に残り良かろう。

更に、もう一つ、きのこに触れた瞬間、“冷たく柔らかい”感じの伝わる、きのこ特有の手触れ感が採集ムキタケにあり、それがたまらない魅力になっている。“ひんやり感”は多分、晩秋きのこの発生する気温のせいであろう。柔らかく感じるのはゼラチン層を持っているムキタケだから、感触が良く体験できて初めてムキタケというきのこを脳裏に記憶できる。だから、ムキタケ料理には和えものと、きのこのイメージが似合うのである。

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by yuyugaku-ueno | 2008-03-08 08:28 | きのこ図鑑


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