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植野稔の自然遊悠学 イワナだ! ヤマメだ! 山菜だ! きのこだ!!

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2008年 03月 05日

82 ツクシ(スギナ)

 ツクシ(スギナ)<トクサ科>
 

 
 
ツクシのあらすじ
 子供のころから川釣りをやっていた関係で、ツクシンボが川の土手におびただしい数の自生畑の有様をよくお目にかかった。幼かった知識不足で、ツクシンボが食べられることを知らずにいた。遊びの延長で悪ガキ仲間といっしょに、ツクシンボ採りを競争でやった。最後は川の流れに放り投げた。
 それから50年。友人の一人は亡くなり、ツクシンボを見るたび、亡き友を彷彿させる。

分布    
 北海道、本州、四国、九州。

方言あるいは愛称   
 ツクシンボ、スギナノコ、スギナ。

生育地    
 日当たりのよい、低地から山地まで広い自生地がある。

特徴と鑑定    
 ツクシは胞子をつくる胞子茎、スギナは葉をつける栄養茎。身近な山菜で繁殖力が強く、ひとつの地下茎からツクシ、スギナを自生する珍しい生態を持っている。
 ツクシの高さ10~15㎝、頭部に亀甲形の胞子葉、各節にはかまをつける。スギナは緑色の枝を伸ばす。

薬用効果  
 スギナを採取し、日干させてから煎じて飲むと利尿効果がある。

採集時期  
 3~4月。

利用部位  
 葉(茎)。

採り方   
 ツクシは胞子が育つ前が旬。胞子が褐色に変化したツクシは食味が劣る。
 スギナは生長前の若い芽を摘み採る。

下ごしらえ  
 ツクシは茎のはかまをむいて、水洗い。スギナは水洗い。
82     ツクシ(スギナ)_d0134473_2025358.jpg


 料理
苦い、甘い、無臭、これといったクセはなく、すこぶる淡白なのがツクシだ。それらは料理人の手法で調味味をツクシにのせ加えると、山菜一品になる。

ツクシの油炒め
 1 フライパンを火にかけ、ゴマ油を入れる。
 2 1に下ごしらえした、ツクシを加え、炒めながら塩、コショウ、醤油、砂糖で調味する。
 ※ コショウに変えて、七味唐辛子でも良い。

スギナの佃煮・ツクシの佃煮
 1 スギナあるいはツクシを茹で上げ、水に晒す。
 2 鍋に出汁、醤油、みりんを入れ、火にかける。
 3 2にスギナ、あるいはツクシを入れて、煮込む。

ツクシのてんぷら
 1 ツクシに天ぷら粉をまぶす。余分な粉はふりおとす。
 2 サラダ油、ゴマ油入りの鍋を暖める。
 3 油温が160度になったら、1に揚げ衣をつけて、揚げる。
 4 3を皿に盛りつけ、天塩をそえる。

ツクシのおひたし
 1 下ごしらえしたツクシを軽く茹で上げる。
 2 1を食べやすい大きさに切り、手で搾る。
 3 2を器に盛りつけ、かつお節を天盛りする。 

特選お勧め、ツクシの卵とじ
 1 下ごしらえした、ツクシを軽くゆでる。
 2 1を水切りしてから、フライパンを暖め、サラダ油で炒め、砂糖、醤油で調味し卵を入れて、箸でサッとかきまわす。
 3 皿に盛りつけ、熱々を食べる。

孤軍奮闘記
 どこにでもある山菜だからといって、手当たり次第にとってはいけない。車の排気ガス、農薬汚染のない山間部の良質のツクシを採る。
さほど注目されず人気はいまひとつ。だが繊維質を持つ、シャキシャキ感は悪くない。


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by yuyugaku-ueno | 2008-03-05 08:34 | 山菜図鑑


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