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植野稔の自然遊悠学 イワナだ! ヤマメだ! 山菜だ! きのこだ!!

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2010年 11月 20日

1279 第3回岩魚サミット

第3回岩魚サミット
イワナを殖やす試み
荒川水系渓流保存会と自然遊悠学による討論会

開催日
2010年11月20日(土)実施

開催場所
自然遊悠学の家

討論会メンバー
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プログラム

秩父イワナ
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体側に散りばめたオレンジ色の朱点。
荒川水系源流に住処のある、居つきイワナ魚体。

昭和30年代の荒川水系には写真のようなイワナがあちこちにたむろしていた。
それが高度成長期における、車道開設、原生林伐採、源流イワナ釣りブームも手伝い、あっという間にイワナは減少してしまう。

秩父イワナ健在の昭和30年代後半、トロッコ列車に乗せてもらい、奥秩父全流域のイワナ釣りに没頭した。
「炭俵サイズ」夢の超大型イワナを求めて、入川渓谷、滝川渓谷、大洞川などの本流に足繁く入山し、奥秩父イワナ釣りに挑戦した。
当時、40センチイワナは珍しくなく、50センチ級イワナとの対戦にイワナ夢を託した。

それから、奥秩父の盟主である和名倉山全山伐採時代に入り、奥秩父流域の名渓は消滅、現在に至る。

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奥秩父を去ってから、かなりの年月が過ぎている。
数年前、ブログで知り合った、荒川水系渓流保存会。
「秩父イワナ」という小冊子をいただき、奥秩父イワナを採卵から成魚まで養殖、今年の春、秩父まで出向き養魚場を拝見、成育中のイワナをみれば、そこには奥秩父イワナが育っていることに対して、驚きを隠せなかった。

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奥秩父源流で確保したイワナ。
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荒川水系渓流保存会による、採卵から受精。
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秩父イワナ稚魚。
順調に成長中だ。

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親魚に育ったイワナたち。
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イワナの滅び去った渓流へ歩く。
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会有志によりキャンプ放流記。

以上、会の親魚釣りから養殖、放流までを簡潔に記した。
ボランテアによるイワナ養殖、採算を考えることなく、純粋秩父イワナはこうして彼らの手弁当で見事に復活、やがて当たり前に秩父イワナとの対峙は現実になろうとしている。
会の皆様の行動に、もろ手を挙げて賛同する。

今回、荒川水系渓流保存会から、書上氏、厚目氏との討論を実施、有意義なイワナ談義となる。
自然遊悠学の家までご足労かけ、ありがとうございます。

まとめ
1 イワナの持ち帰り~釣り人の良識ある判断を期待する。
2 イワナ遺伝子強化~定期的なイワナ交流を計る。
3 各水系ごとのイワナ保存~地元有志による保存会の立ち上げを望む。
4 イワナ自然遺産~純粋居つきイワナを育て、未来の釣り人へバトンタッチする。
5 イワナ釣りの心得~イワナを釣る前に、人としての行動を再確認する。

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荒川水系渓流保存会、会報。
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荒川水系全図。

荒川水系渓流保存会との討論会を終えて
青春の岩魚情熱熱中時代、奥秩父イワナ豊産のころ、お世話になった荒川水系、おそらく奥秩父の良きイワナ時代を経験した生き証人である拙者にとって、生まれ故郷の水源地として、くまなく荒川水系イワナ旅を果たしたが、押し寄せる自然破壊から、止むを得ず、故郷奥秩父と惜別する。
30年余、奥秩父への入山はない。
その後の故郷の遥かなる山々に変化が訪れようとしている。
荒れ放題の山に多少ながら、樹木が育ち、奥秩父復活の足がかりは荒川水系渓流保存会の面々による、イワナ放流が実を結びつつある。
彼らの緻密なイワナ放流行動に、ただただ感謝するのみである。
奥秩父イワナ減少に対して、多大な責任が拙者側にあるのも確かであろう。
本来、イワナ消滅地へ、イワナ補給の役を拙者が担うのが筋だ。
「いつかきっとやる」
その役目を地元の有志による行動がイワナ復活のきっかけとなった。
いつかある日、奥秩父再訪を果たしたい。
「歩いても歩いても岩魚のいる風景が好きだ」
その夢も遠くない時期に実現することになるかもしれない。
岩魚とは人と拘りがあって存在するものだ。

最後に二つのお願いを両氏にした。
拙者の願いが適えられたときが奥秩父再会を果たすこととなる。
頑張って宿題を解いてほしい。
勝手なお願いながら、拙者の夢を実現させてください。

by yuyugaku-ueno | 2010-11-20 20:03 | 岩魚サミット


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