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2008年 02月 29日

44 渓流釣り入門 22 竿をおく

22 竿をおく

 「釣り」という魚を釣る行為に対して、釣り人側に、どのような形で影響を与えているか、魚類による詳細を明らかにできる資料は知らない。
 我が半生を懸けたイワナ釣りの場合、“山”という得体が知れない、謎を秘めた自然美空間魅力を有している舞台が、渓流釣りの面白さを提供してくれる。
 四季折々が成す日本の自然をここで申し上げるには及ばず、素晴らしき飾り色彩渓谷に渓流の王、イワナ。渓流の華、ヤマメ。渓流の女王、アマゴ。いわゆる渓流3魚が棲んでいる。
 渓という自然景観のなかで、研ぎ澄ました渓流に成育している渓魚釣り。誰がどのように解釈しても、自然美を酷評する人はおるまい。
 申し分ない自然環境下で釣行できる渓流釣りではあるが、釣りのみで終了してしまい帰宅。この内容で満足するのか? いささか疑問は生じる。

山釣りの勧め
四六時中、イワナ釣りに明け暮れていた熱中時代、竿をおいて休憩。すると座った周辺に、黄色い名前の知らない小さな花が咲いていた。水面を滑空する野鳥。砂地に動物の足跡。背後にある倒木に、きのこ。対岸には新鮮な野菜らしき植物。それらの生き物たちは渓流を住処に、生息していることに気づく。
イワナ、ヤマメ釣り一辺倒だった渓流釣りから、周辺域に興味を傾注する。すると、様々な渓流風物詩といえる“山生活術”があることを理解できた。私の源流釣行は「現地調達主義」だったことも手助けとなり、先人が著した書物を頼りに、独学でサバイバルを志向することが可能であった。
私が提案する「山釣り」とは渓流釣りを広義に解釈し、山全体を釣る、こんな思想から生まれ、現在、自然遊悠学として実践している。
山釣りとは釣り竿を収めたとき、渓流訪問者へ平等にその魅力を余すことなく与えてくれる。釣り人の興味を示した分野へ自由参加できる。そこには知らずして知る山知識を修策できる。 色々な楽しさがあるから愉快で面白い。
竿をおく。それには釣り人の葛藤があろう。要約、釣行日を決め渓魚と明け暮れたい。そんな釣り人気質は承知している。けれども渓流釣りにはシズンオフがあるから、とりあえず、この機会に山を探索するチャンス到来時に、新しき出会いを模索したい。

渓流釣り入門の最後に
一ヶ月間、渓流釣りにおける脈釣りを22回に分けて解説した。その内容は現在における、最新脈釣り法といえる。その良否は読み手に委ねられるものの、私としては満足できる仕上がりではないかと自負している。
これまでに渓流釣り釣法解説自著なる本はある。然るに時代の進歩は早く、現在の釣法に追従できないという発想から、今回の新しい視点で著した次第である。
これから渓流という山行を夢見る、イワナ、ヤマメ、アマゴを釣る入門者へ、多少のアドバイスになれば幸甚である。


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by yuyugaku-ueno | 2008-02-29 10:32 | 渓流釣り入門
2008年 02月 28日

43 渓流釣り入門 21名人

21 名人

手感蝕
 「渓魚を釣る」このアウトドアライフの一環を担うにあたり、今一歩、具体的に言えば、「イワナ、アマゴ、ヤマメを手で触る」こんな渓流を歩く釣り人の願いを抱いて、山に向かう釣り師の心情がある。
 「触れる」という人の行為、触る感触こそ人間すべての人々が共有共存する、手蝕本能ではないかと考えている。
 例えば、生まれてまもない赤ちゃん周辺にある、興味津々と思われる生活品に出合うと、手で触り関心を寄せている。それは触ることによる物体認識を確実に自分のものとして、脳細胞に記憶させている行為につながる。
 成熟した男女での最終段階、触る、触れ合うことによる男、女それぞれの持つ知られざる、言葉では表れない本質を確認できる。
 渓魚の場合、季節における魚体温度があり、水温5度では当然、渓魚の魚体温度は5度であり、「渓魚は変温動物」であることを手感蝕した結果、机上知識から実施現実知識へ記憶させることができる。
 渓魚触れによる、低温火傷の魚体被害を心配する釣り人もいることは承知している。しかし、過大に渓魚を触れない限り、釣り人のささいな配慮は無用、その影響で渓魚は打撃をこうむることはない。ただ、魚に触る際、自分の手を渓水に入れてから渓魚に触る、釣り人側の優しさも大切だ。
 「渓魚手感蝕」これは渓流釣り入門の第一歩といえる。分かりやすい説明でいえば、パソコンのスタートをクリックする意味と同じこと。この作業を省略することはできないくらい、重要な要素が渓魚手感蝕なのである。

正統の釣り
 氷河期に耐え温暖化に忍んだといわれている、渓魚の存在を認め尊重する立場から、釣り人側にもそれなりの準備、覚悟で渓流釣行に臨まねば、相手に対して失礼であろう。
 イワナ、アマゴ、ヤマメを知る。その結果、竿、仕掛け、餌を吟味、日和を気にしながら釣行する。そこで渓魚を釣るとき、釣りの主導権は必ず釣り人になければ駄目だ。相手より高い知識、読みで事にあたることが、渓流釣りの必須条件になる。
 初心者では机上の空論を渓流という現場で、実施検証しなから自分のものにする思考を重ねなければいけない。
 正統の渓流釣りとは如何なるものかを考えると、自分で試行錯誤した釣り用品を渓流という現地で試すことだ。これしか正解な釣りは見当たらない。その実施した答え結果は釣り人自身に全責任があり、他人の意見など無用といえる。
 しかし、自分の釣りとて自分で考えた釣りなのだから、自分で考えた正統な釣りといえど、純粋正統な理想の釣りと異なる事だって得るだろう。
 結論を申し上げる。渓流に棲んでいるイワナ、アマゴ、ヤマメ釣りでは、釣り人それぞれが持っている、自我、おいたち、習慣、思考、自然志向による人間形成上次元で、釣りをする一人一人の正統な釣りがあるのではないか、と、理解している。
 渓流釣りキャリアだけは長い、私の渓流釣り遍歴で常時、理想の釣りを考え続けてはいるがなかなか難しい。現在、釣りに芸術性があるものと信じて、そのエリアまで自分の釣り次元を高めたいと思うのだが、現実は世間世論の荒波にのまれ、右往左往するばかりで、これといった良好な結果は生まれず、未完のままだ。

名人
 手感蝕で渓魚を感じ、正統の釣り渓魚を知り、続いて釣り人最大の関心ごと、大物渓魚を手に入れる段階となり、大物渓魚の潜んでいる魚止め滝、本流の深渕に最善を尽くした仕掛け、愛竿で攻めることになる。
 今までの経験で、大物渓魚を釣ることは意外にやさしい。大物渓魚の棲んでいるポイントには渓魚定位法則があって、ある程度の渓流釣行を訓練し経験すれば、その渓流にいる大物魚の棲家を判定することができる。
大物渓魚入手であっても、計画された場所、計算された仕掛けと餌、予定していた竿捌きにより、大物に出会えたことになる。見事に期待していた大型渓魚の対面は嬉しい。しかし、釣れるべき渓魚を釣った事実が気になる。
渓流釣りに長けた釣り人のことを名人と呼んでいる。
名人とはどのような釣り人なのだろうか。
渓魚の大物を手軽に釣る人は名人。
 常時、渓魚を手に入れられる人は名人。
 渓流釣りにおける名人とは、大物を釣り、渓魚を上手に手に入れられる釣り人であれば名人であるのか? 確かに釣り人仲間での釣行のとき、格段に違う釣果、釣友が自慢する大型渓魚それだけで、釣り人の羨望する憧れの人物像を称して、渓流釣り名人称号を与えてよいのか。いささかな疑問を抱く釣り人は私だけではなかろう。
 「では正真正銘の名人は存在するのか」この問題に対して、私の本旨は釣りにおける名人など皆無である。これしか言いようもない事実だ。
 釣りという行為には当然、釣果も伴う。釣果というものは釣行実績による、明らかな結果そのものである。釣果の差を生むのは上手く自然現象を合致させた、渓流を読む釣り人の洞察力にほかならない。
 例えば年がら年中、釣りができる人であれば、さほど器用でない釣り人でも、あまり出漁できない人と比べて、釣果の差はできる。
 結論はこうだ。渓魚の大小、捕獲した渓魚の多少で釣り人の優劣などを論じることは意味のないこと。渓魚の一言を代弁すれば、釣り人の低次元無能さをあざ笑う愚かな論戦であることを的確に表現している。


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by yuyugaku-ueno | 2008-02-28 18:38 | 渓流釣り入門
2008年 02月 27日

42 カテゴリーについて

 カテゴリーを決めるにあたり、これからブログの苗を植えただけなので、ほとんどの項目は空状態。これから、いままでに書き終えた事柄を入力する。

 いずれにしても、今回、カテゴリーを決めただけなので、およそ、30年に及ぶ長い作業になるつもりで、気長にノンビリやるしかない。

 3月いっぱいには、一回目の発表をする計画だ。
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by yuyugaku-ueno | 2008-02-27 16:19 | 身辺雑記
2008年 02月 25日

41 テーブルをつくる

 要約、仕上げんにはいる。
 ベルトサンダーでテーブルを磨く。
 仕上がりが待ちどうしい。
d0134473_22544762.jpg

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by yuyugaku-ueno | 2008-02-25 22:56 | 身辺雑記
2008年 02月 25日

40 60の手習い

今日はパソコン先生と一緒にブログの整理を学びました。

これから、頑張ります。
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by yuyugaku-ueno | 2008-02-25 22:02 | 身辺雑記
2008年 02月 25日

39 渓流釣り入門 20

20 天然魚を知る

釣果
 「一里一尾」とは盛期におけるヤマメ釣りにおける、渓魚の釣果を表した、ことわざである。イワナの場合、一里釣ってどのくらいの釣果になるのか、釣り場によって異なる答えがでそうだ。
 釣果とは釣り人の手腕に委ねられている、当然の結果であって、現在の渓流釣りでは釣果の大小など問題にならない。
 
イワナを釣る
 渓流三魚、イワナ、ヤマメ、アマゴを求めて、放浪旅をしながら全国行脚を何年も続けた。その結果、名だたる渓谷に足跡を残せた。
 「日本全国の魚止め滝を見る」こんな野心は30,000数余に及ぶ、圧倒される沢と谷の群れの中に、最初にアマゴ断念、さらにヤマメ断念、かろうじてイワナが残され、それらは次第に夢破れた、おそまつさをさらけだしてしまった。それでも、3,000を数える渓流探訪の結果に、夢のイワナにおける、魚止め滝の全国制覇へ最後の余力を傾注している。
 「イワナとは如何なるなるものか」と50年間、自問自答しながら、相変わらずのイワナ遍歴を重ねているものの、正解な答えはみつからない。
 なんといっても、イワナの棲んでいる自然風景に拍手喝采、その渓流に立てば、泥まみれになっている、我が普段着の精神構造を心底、癒してくれる、有り難い山岳世界観的存在なのである。
 長い間、我が頭脳に刻まれたイワナ伴侶に、いささかも迷いはない。岩魚と心中するつもりはないが、せめてイワナの棲む奴らのネグラに共に寝たい、こんな心境の今日この頃の岩魚風景観である。

先は長い。
イワナに惚れ込んだ弱みもある。
まあ、あせらずのんびり行くしかない。
やりたいことは山ほどある。
ズボラ、でたらめ我流人生は褒められないけれど、面白くて仕方がない。
あと30年、余命はあるだろう。きっとあるに違いない。
今は死ぬ予感はない。
時間はある。

一尾のイワナ
 「神秘の魚」「渓流の王様」「深山幽谷の華」などイワナにまつわる、褒め言葉は多い。イワナという渓魚は日本列島のなかで、海抜2,600mの高所まで棲息地がある。その辺りは冬季数メートルに及ぶ積雪に覆われ、越冬イワナの環境は厳しい。
 雪シロの雪解け水はしばし渓谷を氾濫させる、鉄砲水が奴らに襲いかかる。
 兵糧攻めの冬、厳寒の劣悪環境、不意のネコマクリ、高所生活などイワナにとって、生きていく術は難しい。奴らは死に物狂いで自らの生を全うしているのだ。その生き様に深い感銘を教授した、釣り人は私だけだろうか。このような渓魚だから生涯を賭けた、イワナ探訪に一瞬の喜びを禁じ得ない。
 近頃、自然環境劣化、渓流指導者の怠慢、釣り人の増加による渓魚の減少。それでも、一日一尾、こだわりのイワナ釣行はこれからも続ける。
 未だ見ぬ渓々の天然イワナ夢を馳せて・・・。

ヤマメ釣り
 「渓魚釣りらしい釣り」言い換えれば「渓魚釣りの本命」ということに、ヤマメ釣りは位置づけられている。と私は考える。
 ではイワナ、アマゴ釣りは本命ではないのかという、素朴な疑問を持つ。
 イワナとアマゴ。両者は棲息地域の違いがあること以外、山的要素に共通する部分は多々ある。簡単にいえば、「山釣り」であるからイワナ、アマゴに相応しい。それは山という全体を釣ることが、イワナ、アマゴ釣りに求められているのだと、私の山釣りに対する持論なのである。
 ヤマメという響きのよい言葉に、母性を感じられる。誰がどのような理由でヤマメという素晴らしい渓魚名を名づけたなか、見知らぬ偉い名づけ親にこういいたい。『天晴れ』を授与したい。
 因みに、我が貧困なる生活拠点、下野の国では、ヤマメのことをヤモ、あるいはヤモンと呼んでいる。その愛嬌のあるヤモ釣りは当地で激戦の火種を今も、くすぶり続けたままである。
 先ほど、あっぱれを差し上げたのは、tbsのテレビ番組をパソコン入力中に、バックミュージックとして受け流しているからである。あっぱれ、ときどき渇、の言葉が耳に入れば、それなりに私も気合が入る。余談ながら、今日は吹雪、手が凍るように痛寒く、白い暖かい息掛けで急場を凌ぐ。このダブル気合にパソコン入力は順調? に進行している。
 くだらないダジャレは止め、本論(たいしたことはないが、多少、真面目にやっている)に戻る。
 ヤマメの棲んでいる里山だからこそ、ヤマメが内蔵している、そのすべてを如実に表している。と考えている。
 「気難しい」「エサ捕り名人」「すばしっこい」ヤマメにまつわる習性の一部である。その性質から、釣りという一点に集中できる、ヤマメ釣りの真髄がある。
 更に突っ込んでいえば、ヤマメという渓魚を釣る際、投じられた仕掛けエサに対して、釣り人側における全身全霊から、研ぎ澄ました視神経をフル稼働させ、目印に凝視する。こうゆう努力を釣り最中に実施させ、釣行に臨むのだ。
 ヤマメの世界を開示させると、自分の右腕に握られた竿、竿先から道糸、目印、オモリ、最後は仕掛けエサ、仕掛けエサのハリ先。このハリ先の向かい側に、ヤマメがいる。
 ハリ先を動かす指令権を持つ、釣り人。相手は里山のヤマメ。両者は渓水を介して相譲らず、それぞれの立場で頭脳戦のなかにある。
 こんなヤマメとの真剣勝負をかけなければ、本当の正解正確ヤマメ釣りはできない。この視点で、一瞬の間、一呼吸できる間があるイワナ、アマゴ釣りにない、瞬き、瞬間の間とて許されない特徴をヤマメ釣りで垣間見せてくれる。
 ヤマメ釣りとは、瞬時の間、反射神経の間の遅れを全面否定させる、厳しい釣りになる。この辺が理解できると、ヤマメ釣りの面白さ、ヤマメ世界の扉を開示する資格を有する、釣り人へのヤマメ魚権をヤマメから頂戴できるのである。
 ヤマメ釣りとて、生半可な気持ち、中途半端な精神では釣りはできない。百歩譲り、安易なヤマメ釣りで天然魚が手に入っても、そのヤマメは私の考えているヤマメ像に対して、ヤマメでありながら、ヤマメではない渓魚としか申し上げられない。

アマゴ釣り
 渓流三魚、イワナ、ヤマメ、アマゴ。その頂点に君臨できる「渓流の王」に相応しい魚といえば、イワナだ。この意見に異論を唱える釣り人は少数派であろう。
 気になる渓流の王に、初々しく恥らいながら、王様に嫁ぐことができる渓魚は如何なる魚が推挙できるのかと、長い間考え続けていた。
 最初の答え、イワナを下流から支えているヤマメを第一候補に決めた。その理由は簡単明快、ヤマメのアタリ以降に表れる、ロッドを微細、あるいは小刻みに振動させる“ヤマメ震え”。ヤマメしかできない痺れ技で、イワナを虜にする。
 意外だった。渓流王の拒絶にあい返り討ちさせられた。ヤマメの八方美人的流線形勇姿をさらけだしても徒労に終わる。
 アマゴ。サツキマスの河川型陸封魚である。体側に朱点を散りばめた魚体に、惚れ惚れしてしまう。
一時、紀伊山地にあるアマゴ名渓群を尋ねたことがあった。熊野古道大峰山脈、天然樹海大台ケ原、紀州台高山脈、その地に日本最高降水量が山々に注ぎ、激しい流れは渓谷を侵食させ、随所に数十メートルの滝群を懸けめぐらせていた。
遡っても遡っても果てることのない滝、越えても越えても続いている滝。これまでに経験したことのない、関西風谷遡行に面食らってしまう。
何よりだった大滝壷に、アマゴが棲んでいた嬉しさに感動した。ビバーク渓谷遡行でのアマゴ現地調達に不自由することはなく、裕福な山地食生活を堪能できた。それは魚止め滝のない渓流だからこそ、可能だったことがいえる。
長い間、道の奥や北海道に親しんでいた私にとって、魚止め滝の存在を否定した事実に、強烈極まったアマゴ谷のよさを認識させる決め手となった。
アマゴは西の渓魚の頂点にいる魚、渓流の王に相応しい。そのたくましい源流で暮らせせる術は、西の勇イワナと同等に対峙できる資格がある。
「 アマゴといわれる渓流魚は何物だ」と問われても、正解な答えを見いだせない。いや、あれこれ言える立場ではなく、言う資格なし。未だ見知らぬ谷々を探訪できていないからである。
今、申し上げられるアマゴという渓魚、「夢のまた夢、アマゴ像」もう一度、生まれることができれば、文句なくアマゴ渓に入り浸る。
残念だが、私にアマゴ釣りの余力はない。
西日本に棲息地のあるアマゴは、若い有能な釣り人へ捧げる。
イワナの嫁探し。ヤマメを棒に振った結果、アマゴには門前払い。結局、収拾はつけられず、お見合いは不調に終わる。
イワナという渓魚、山地奥でひっそり孤高に生き耐えてこそ、岩魚らしい気がする・・・。


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by yuyugaku-ueno | 2008-02-25 06:49 | 渓流釣り入門
2008年 02月 24日

38 渓流釣り入門 19 新編実践渓流攻略法の4「滝」

19 新編実践渓流攻略法の4「滝」

河川から渓流を遡行、すると平瀬になる。落差が出始め落ち込みが連続する。いくつかの小沢を見送れば、やがて渓谷に廊下が現れ、深い長深瀬になる。飾り渓谷前方に落差の高い大淵のある滝が出現する。
途方もない長い歳月をかけて、渓谷の水流侵食は固い岩盤を残し「滝」という上流下流を分断する、渓谷美の頂点を訪問遡行者へ垣間見せてくれる。
渓流に棲む渓魚釣りに専念した渓流師(たにし)にとって、渓流浪漫の真骨頂は魚類の遡上を阻む「魚止め滝」だ。
特に、イワナ渓流師にはただならぬ愛着がある「滝}の存在をぬきに岩魚物語は語れなかろう。
これから、大物渓魚の棲家、魚止め滝へ釣り人を誘う。

滝の定義
 上流からの渓水が下流へ落下する様を「滝」と呼んでいる。
 滝には形状により直滝、滑滝、チョクストーン滝、二条滝、スダレ滝などの滝がある。また、権現滝、雷滝、雲竜滝、地獄滝などの自然現象滝名。五郎滝、嘉助滝、三左衛門滝
などの人名滝。黒滝、赤滝、白滝などの色彩滝。大滝、三階滝、中滝などの高さ滝。
 このように滝には渓流で活躍した山岳地に住む山人によって、滝の名称がつけられ呼ばれるようになった。
 滝とは滝に名づけられた滝名で、自分自身にその現在地を明確に把握する役目を担う場合は多く、事に当たる適正な決断情報になる重要地点なのである。
 一般的な滝では上部から落下する水圧で、下部岩盤を激しく侵食させ、滝壷を有していることが多い。
 沢登りでは下流から順番に、F1、F2、F3と遡行図に記す約束になっている。また、落差は2メートルから記載して記録されている。
 釣り人の最大関心ごと「魚止め滝」は渓魚の遡上限界地点、あるいは棲息限界地点などに記され今日まで受け継がれている。
 余談ながら、渓流愛好家による近年の渓魚移殖放流で、魚止め滝は名ばかりになり、事実上、魚止め滝は消滅している渓流は多い。されど古今東西、渓流魚の遡上を拒む事実は健在、依然として魚止め滝は今日も存在し、その価値は大きくイワナ、ヤマメ、アマゴ渓流三魚の計り知れない、夢の魚止め滝探訪浪漫を常時提供してくれる。

ポイントの選定
滝を解剖する
 滝の定義で示したように、滝には様々な名前がある。仮に名無し滝でもFという番号名を持っている。
 視点を釣り人に向けてみる。
 問題は滝の規模、上部全水渓量を受け持つ“滝壷”である。この滝壷の大小スケールは落下する水量で決定される。
 そこで、比較的貧弱な小中の滝壷は落ち込み同様のテクニックで勝負できる。この項では大釜滝と呼ばれている、滝壷を探る釣法を解説したい。
 更に、盛期での釣り、平水の普通日和を条件に考える。
 
表面流れ
 滝とて落ち込み同列、基本的な表面流れは同じだ。ただ上部からの落下水圧水勢でスケールアップしているにすぎない。深山幽谷にある不気味な滝の形相におびえ、雰囲気に呑まれては駄目だ。ここではじっくり腰をすえ、表面の渓水流れを観察する。

主流
 上流から落下した全水量は滝壷に入り、多量の水泡(白い空気泡)ができる。落下速度の早い滝では滝壷尻(滝壷の末端)まで水泡は続く。
 水飛沫を伴う本流大滝の激しい流れも、滝壷尻では弱まり、ヒラキをつくる。この滝壷の主な流下面を滝壷における“主流”と呼んでいる。

くヒラキ
 主流でつくられた滝壷尻を“ヒラキ”と名づけて、食い筋に当たるミヨを伴う、滝壷攻略の第一ポイントになる。
 ヒラキは当然、大物渓魚の定位位置になっている。
 実釣行ではヒラキヘの仕掛けエサポイント誘導はかなり難しい。

巻き込み
 主流の流れの大半はそのまま渓水圧で下部へ押し出されてしまう。その一部の流れが滝壷の両サイド広がり波(水中下では下り波)によって、“巻き込み”を生じさせる。
 一般の釣り人に最良ポイントを余すことなく提供してくれる、有り難い第二、第三の釣り場誕生だ。
 巻き込みでの釣行の際、定位している渓魚に仕掛けエサを誘導するテクニックは比較的安易にできる。

水中波の解析
 数メートルに及ぶ大釜滝にできる滝壷水中構造を解き明かす、すべての技術を公開できる資料は少ない。かろうじて浅い滝壷の潜水し、その実態を掌握できた。しかし、本流域における大滝釜を調査した研究はない。
 問題の大釜、とてつもない勢いで落下する水圧にはまり、沢登り、釣り人の尊い生命を失う結果に至る。私は水中落下渓水を動水管と名づけ、何度も危険な状態に陥った経験があるからだ。この水圧は水力発電機タービンをフル回転させる、原動力になっている恐ろしいエネルギーでもある。
 従って、この項では自分で確認できた滝壷の水中波を前提に書き進める。

上層波
 上部から落下した渓水のほとんどは上層波となり、その波の性格上、上げ波になる。水泡を落下刺激で伴い、激しく勢いを増し下部ヒラキへ移動する。
 さすがと思える奔流の流れも、滝壷尻、大釜袖に下り波を生じさせ、前者は滝ヒラキ、後者は巻き込みができる。
 この上層波は日和安定期間に限られ、気象条件悪化ではすべて上げ波になって、釣行は不可能になる。

中層波
 勢いのある上層波ではあるが、水深下ほど影響を受けにくくなる。この上層波下部を中層波が占めている。
 中層波は上部落下渓水圧の強弱で層の大きさが決まる。例えば落下渓水圧が強ければ中層波は小さく、落下渓水圧が弱ければ中層波は大きくなる。
 下り波(沈み波)になる中層波の存在で、滝壷を釣ることができる。
 いずれにしても唯一釣り人の味方になってくれる、中層波へ仕掛けエサを誘導させることが、滝壷を攻める本命といえる。

滞留層波
 上流からの落下渓水全水量を一手に受け止める、下層波のことを“滞留層波”と名づけることにする。
 初めての言葉なので簡単に説明する。
 水道の蛇口をひねれば、水道水は受け皿の溜り水、上部を流れる。滝壷でも同じ現象が起こり、滞留する受け水があってこそ、上層波、中層波は下流へ流れる理屈になる。
 実は渓流滝壷潜水実験実施で最大の収穫、滝壷底で定位渓魚の存在を確認できた新発見事実に対して、驚きの衝撃を受けた。
 この滞留層波の中を活発に移動している、渓魚たちのたくましい勇姿に感服したのと同時に、これまで謎であった滝壷渓魚のありのままの生活様式を垣間見られ、観察できた喜びは計り知れない。
 滝壷での狙いは滞留層波に定めて差し支えなかろう。

竿と仕掛け
 本流での大場所、大滝壷であるから、自分で捌ける長竿を使う。仕掛けは大物渓魚に備え手、竿一杯の長仕掛けを自作する。
 竿・・・7.1の長竿
 道糸・・・0.6号通し長仕掛け 6m
 目印・・・3ヶ所
 オモリ・・・2B
 ハリ・・・ヤマメ8号
 エサ・・・川虫あるいは陸生昆虫

釣り方
 表面流れ、主流にできるヒラキ、巻き込みの順で攻める。ポイントは最下層の波、滞留層波へ仕掛けエサを上手に誘導させる。

滝壷下部にできる、ヒラキを釣る

1 表面竿角度60度、竿仕掛け角度120度を維持できる、釣り座を決める。
2 主流と巻き込みにできる、食い筋(ミヨ)境目が、第一ポイントの投餌点だ。投餌点は滝壷左右にある。第一投は釣り座側のミヨしかない。
3 振り込んだ仕掛けエサは投餌点に軟着水させるため、目標点に着水寸前に竿送りさせる。仕掛けエサはゆっくり下り波ミヨ効果で沈んでいく。
4 3の操作のあと、やや流速より早い仕掛け送りをさせながら、竿捌きの余裕を見て、緩い仕掛けエサを上下させる、誘いをくれる。このとき、水面上の仕掛けが弓形にたるませる、竿捌きをしなければ、仕掛けエサは浮き上がり、同時にアタリが手感に伝わってしまう失敗した仕掛け流しになる。
5 食い筋の左ミヨでアタリがなければ、右ミヨを4と同じ竿捌きをくれる。
6 滝壷尻ヒラキが下り波の場合、直接、中央ミヨに振り込んでも良い。

滝壷両袖にできる、巻き込みを釣る

1 滝壷両袖にできる、巻き込み入り口が投餌点。この主流の左右を探れる位置にスタンスを決めて立つ。
2 第二ポイントは釣り座側。その位置から、第二投。竿水面角度60度、竿仕掛け角度120度を守り振り込む。但し、水面から滞留層波まで水深があって、基本竿水面角度が保たれない深滝壷の場合、竿角度を守る必要はない。
3 投餌点を主流から、やや外れた巻き込み袖側の投入を選べば、容易に巻き込み下り波に入ることができる。
4 投餌点に軟着水させた仕掛けエサは、竿送りで巻き込みに沈んでいく。このとき、仕掛けエサを流れに乗せるため、竿送りと同時に、やや早めの竿移動をくれる。仕掛けエサと穂先の関係は、アタリのとりやすい弓形になっていなければいけない。
5 巻き込み入り口に投じられた仕掛けエサは、3,4の連続する竿捌きで、時計方向に回転する、巻き込む流れの通りに、スムーズに移動する計算になる。
6 5の竿操作の最中、余裕をみて誘いのテクニック、緩い上下動をくれる。この誘いに乗り、渓魚は餌に飛びかかる。
7 釣り座側を攻め終えた次に、対岸の巻き返し(巻き込み)を釣る。
8 現在の釣り事情を考慮し、解明された滞留層波近くに、仕掛けエサを誘導させなければ、滝壷の釣りはできない。滝壷狙いで重要なのは竿、仕掛け、餌を吟味し、最良の釣り方でポイントへ向かう。

竿の操作
 「定位している滞留層波」この位置へ如何に早く正確に、仕掛けエサを誘導させる竿捌きをくれる。この一点に全神経を集中させる。
 釣り方の解説で申し上げた、誘いのテクニックは二の次と考えてよかろう。
 繰り返しになるが、「滞留層波に仕掛けエサを誘う」。これしか滝壷を攻める方法はない。

合わせのタイミング
 正解通りの仕掛けエサ投入なら、意外と派手なアタリが目印に動きの変化をもたらす。この瞬間が合わせのタイミングになる。
くどいようだだが、定位渓魚位置は滞留層波付近だから、最良の竿捌きなら、アタリの次の合わせはさほど難しくない。

最後の審判
滝の魅力
 「渓谷風景美の極」といっても過言ではない、滝の存在は渓流を彷徨する、釣り人に親しみを込めた羨望の的でもある。
 魚止め滝にまつわる、各地に残されている伝説、伝承、怪奇現象などの滝物語を現在に語り継がれている。
 私の渓流遍歴のなかで、魚止め滝に関する“岩魚浪漫”は数知れない。何時の日か機会を設けて、その全貌を公開させる望みを捨てきれない。
 魚止め滝といえば大物渓魚の棲家、滝までの遡行に難儀するものの、「魚止め滝」で当日の締めくくり、大物魚との対決を夢見て釣行する気分は最高である。
 最後に自然破壊の象徴として名高い、堰堤釣り。自然滝に比べて流域面流量は一定である。一応、人工の落ち込み淵があり、滝壷釣りを参考にしながら挑戦してもよい。


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by yuyugaku-ueno | 2008-02-24 06:45 | 渓流釣り入門
2008年 02月 23日

37 渓流釣り入門 18 新編実践渓流攻略法の18「落ち込み」

18 新編実践渓流攻略法の3「落ち込み」(大淵)

渓流釣り場を構成する要素を考えると、大部分を占める“落ち込み”の存在が知られている。
 本流から支流の沢へ釣り場を変えれば、勾配の強い源流では落ち込みの連続する、釣り人天国が続いている渓相に満足してしまう。
 釣り人の釣行地にある、落ち込みをどのように攻略するのか? 渓流の大半部分を上手に釣る、最善の手法を考えてみたい。

落ち込みの定義
 渓流の流れが大岩石、流下岩などで堰き止められ、上流の水量が散りばめられた多数の大石で渓水を盛り上げる。そのエネルギーは下部周辺を侵食させ、淵を構築させる。
 集められた大岩から吐き出された渓水が落ち込む、淵を「落ち込み」あるいは落ち込み淵、大淵と名づけられている。
 今から進める3種の淵の呼び方を一般沢登りで普及している“落ち込み”に統一する。
 渓魚にとって、落ち込みの存在は如何なる場所かといえば、稚魚の避難場、成長の場、成魚のテリトリー範囲などに使われている。
 釣り人の立場に立つと、平瀬、深瀬の難解なポイントではなく、釣行しやすい渓相を提供してくれる、有り難い場所になっている。

ポイントの選定
落ち込みの種類
 落ち込みには渓流を構成する規模によって、大、中、小の種類がある。それぞれの落ち込みに特徴の差はなく、大きさによって釣り技術が異なることはない。

落ち込みの解剖
 落ち込みの性格で比較的水深は浅い。深瀬のように水中下の流れ波に怪奇現象はなく、渓流表面の流れを区分けすれば説明できる。

 主流
上部から吐き出された流水の主な表面流れを落ち込みの“主流”と呼ぶ。
 主流は落ち込みの水勢が弱まる、ポイント最終地点に深瀬同様なミヨをつくる。

ヒラキ
 主流でつくられたミヨのことを落ち込みにおける“ヒラキ”と名づける。
 ヒラキはミヨであるから、落ち込みポイント最大渓魚の定位位置に当たる。

巻き込み
 主流の流れの大半はそのまま下流へ流下する。その一部は落ち込みが広がる、両岸に回転する流れになる。この回転流れを“巻き込み”と呼んでいる。
 巻き込みは落ち込みにおける、第二ポイントといえる2ヶ所の釣り場となる。
 釣り人の狙い目、巻き込みは主流から弾かれた流下エサの集まるミヨであるから、丹念に探り釣る。

竿と仕掛け、本流
 竿・・・6~7m
 道糸・・・0.6号 5m長仕掛け
 ハリス・・・0.4号 25㎝
 目印・・・3ヶ所
 オモリ・・・2B
 ハリ・・・ヤマメ8号
 エサ・・・川虫類

※ 沢釣りでは中仕掛けに変える。
 
釣り方
 ヒラキ、2ヶ所の巻き込み、合計三ヶ所ある落ち込みポイントを順所よく釣る。さほど困難な釣り場ではなく、渓流入門者向きのお勧めである。

ヒラキ釣り
1 立ち込みやすいサイドのスタンス(釣り座)を決める。
2 投餌点は落ち込み中央付近、仕掛けエサは上げ波から次第に下げ波になるから、投じた仕掛けエサはゆっくり沈んでいく。
3 落ち込み最終地点、ヒラキ数メートル遠方から振り込む。竿渓流面角度60度、竿仕掛け角度120度を守る。
4 ヒラキは平瀬釣りの要領と同じだ。竿捌きに余裕があれば、多少の誘いをかけてもよい。普通は流下速度にまかせる。
5 落ち込み第一ポイントの本命はヒラキしかない。仮に、ヒラキ定位渓魚を釣り人の不注意で上部に追い込んでしなったら、狙ったポイントはオシャカ(失敗の意)になる。個々では慎重な行動をとる。
 アタリがでたら、一気抜き。渓魚は暴れさせない。
 渓魚を騒いだ場合、次の巻き込み釣りは不可能。仮にアタリがでても正解な釣りにならない。
※ 落ち込みの小さい沢釣りでは、ヒラキは生まれないことがある。

巻き込み釣り
1 ヒラキ釣り終了と同時にスタンスを移動、上部の振り込みやすい釣り座に立つ。
2 第二ポイントの投餌点は主流と巻き込み入り口(主流から離れた巻き込みの始まり)に仕掛けエサを軟着水させる。
3 竿水面角度は60度、竿仕掛け角度は120度を保って振り込む。
4 振り込み終了から直ちに竿送りをする。この作用で、仕掛けエサは下り波で序々に沈んでいく。
5 巻き込みの流れ通りに、仕掛けエサを動きに合わせる竿捌きをおこなう。
6 普通の巻き込みであれば、巻き流れは投餌点に戻る。この間にアタリがでる。
7 6でアタリがでない場合、対岸の第三ポイントの巻き込みを探る。
※アタリがでたら、一気抜きする。

竿の操作
 水深のある落ち込みの場合、巻き流れでの竿捌きの際、緩い上下動の誘いをすれば、誘い効果で、渓魚の食いはたつ。
 水深が浅いときは、誘いをする必要はない。

合わせのタイミング
 止る。反れる。けしこみ。上がる。回転などの目印移動を確認した瞬間、合わせる。
 ヒラキ、巻き込み共に目印のアタリ変化は派手に動くことが多い。従って、合わせのタイミングは容易となる。

最後の審判
 落ち込みの釣りは簡単明晰、手軽に釣行で切るから初心者向き釣り場にお勧めポイントだ。これといった問題提起は見当たらない。


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by yuyugaku-ueno | 2008-02-23 07:22 | 渓流釣り入門
2008年 02月 22日

36 渓流釣り入門 17 新編実践渓流攻略法の2「深瀬」

17 新編実践渓流攻略法の2「深瀬」

渓流釣り入門 15 渓流流速分解で解説した、難解な波の流れに苦慮してしまう。これから様々な波の生じる、深瀬(急瀬)の問題点を提起し、最良の釣り方を考察してみたい。
 始めるにあたり、盛期での釣り、平水での深瀬を条件とする。
 また、渓流釣りにおける最も困難な釣法ながら、大型渓魚定位する深瀬に挑戦する、脈釣りマニアを有頂天、あるいは返り討ちの二者択一になる。それらは渓流エサ釣りの「醍醐味ここにあり」といえる渓流師独断場フィールドになっている。
 なんといっても未知なる釣法を考え、未知なるポイントを攻撃する面白い釣りができる。この秘密のベールを暴く秘められた部分にスポットをあて、積極的に挑戦したい。

深瀬の定義
 両岸は迫り上流の渓水が合わさり、水深のある渓流ポイントを“深瀬”あるいは急瀬と呼んでいる。
 深瀬の特徴として、岩盤で構成されている。渓水水圧は大きく急流になっている。一般沢登り遡行者の場合、深瀬地点にさしかかれば、特別な遡行目的以外は大きく迂回する高巻くルートで突破、悪場を安全遡行で回避する場所になっている。

ポイントの選定
深瀬を観察
 1 深瀬全体の表面流れを観察し、主流、副流、止流の位置関係を知る。
 2 主流と副流、副流と止流にできる、食い筋、ミヨを確認する。
 3 深瀬を攻める最終段階、投餌点を決める。

竿と仕掛け
 深瀬を読み終えたら、ポイントを探る最良仕掛け選択作業に入る。一般の深瀬攻略の竿、仕掛けは以下のようになる。
 竿・・・7m前後の長竿(自分で操れる竿の長さを使用)
 道糸・・・大物魚に備えて、0.6号通し長仕掛け
目印・・・3ヶ所
 ハリ・・・ヤマメ9~10号
 オモリ・・・2Bあるいは3B
 エサ・・・山バッタ(イナゴ代用可)あるいは陸生昆虫
 
 仕掛けの準備完了、その前に「釣り道具に揺らぐことのない絶大な自信を持って深瀬に挑む」こんな心構えでスタンスに立つ。

釣り方
釣り始めから終了までのシミュレーション
 深瀬釣りの場合、スタンスに当たる足場が不安定極まりない。そこで、アタリから合わせ、渓魚スタミナ抜き、捕り込みまでのシミュレーションをする。さすれば、渓魚抵抗に対して都合は良い。
特に最後の捕り込みに万全を尽くす。大方ラストの捕り込み失敗に泣いている、釣り人は多い。10年あるいは20年に1回の大物魚を逃す手はない。それには先ほど申し上げたとおり、釣る前の準備が大切になる。

1 なるべく安定したスタンスに立つ。
2 ほぼ同様の岩盤のある深瀬なら、波の解説通り、スタンス側ポイントのミヨ、対岸側ポイントのミヨがある。
 そこで、第一ポイントであるスタンス側の主流と副流のミヨに狙いを定めて、フィッシュオン。仕掛けエサは下り波である沈み効果で確実に、渓魚定位ポイントへ沈み込んでいく。さらに、平瀬釣りで学習した竿送りの竿捌きをする。
3 深瀬釣りでの竿と渓流水面角度は60度、竿と仕掛け角度は120度の原則を守る。
4 第一ポイントでアタリがでなければ、副流と止流の第二ポイントのミヨを探る。
5 対岸の主流と副流の間にできる、食い筋ミヨが今回最大の狙い目、第三ポイントだ。本流核心部にある深瀬では、川幅が広く長竿、長仕掛けでも竿角度の原則を遂行できないことがある。その場合は自然体で臨むしか対策はない竿捌きになる。
6 これまでの釣行実績で、第三ポイントでアタリがあることが多い。そのときは第四ポイント止流外れのミヨは捨てる。釣る価値を持たないからだ。

竿の操作
誘いのテクニック
 自然の流下エサに酷似した仕掛けエサを流す、平瀬釣りに比べて、深瀬釣りでは水深があるので、渓魚を誘惑する“誘いのテクニック”を使う。生きエサを活発に動かせ、さらなる命をエサに与える作業をおこなう。
 ミヨ投入後、仕掛けエサは小波にもまれながら波のなかを移動する。このとき、絶妙のタイミングで的確な誘いを与えたとき、渓魚のエサ追い本能を甦えさせる強力な武器になる、恐ろしい技術になるのだ。
 この誘いのテクニックを使う、使わない。この差は釣果のうえで、天と地のひらきを生じることを最初に申し上げておく。
 特に大物渓魚に有効である。

1 正当な竿捌きで軟着水させた仕掛けエサは食い筋のミヨ下り波にのまれ、一気に沈んでいく。
2 投餌点から流された仕掛けエサは、予め予想した渓魚定位位置の前方に落とし流す計算になる。
3 沈下する仕掛けエサに合わせ、ロッドを送り込み、同時にミヨの流れよりやや早い竿送り操作をする。このとき、地上の仕掛けは、やや弓形に弛ませる竿捌きをおこなう。 
4 流された仕掛けえさの位置が、定位渓魚の1m弱に接近したら、ロッドをやや上下左右に動かす、誘い竿操作をおこなう。
5 適度の誘いにのり、本能を刺激された渓魚の食いは最高潮に達するはずだ。この誘いのあと、仕掛けの目印に変化が現れ、アタリが伝わる。
6 緩い上下動、緩い左右そらし動の絶対のタイミング、誘いのアクションは大きすぎても駄目、少なくても駄目、難しい技は度重なる釣行を繰り返し実施した結果、徐々に会得するしか上手くなる方法はない。
 
合わせのタイミング
 目印が止る、目印が上下左右に移動する。目印が浮き上がる。目印が上手、下手に移動する。こんなアタリが目印の動きがあった瞬間、合わせる。
 深瀬釣りでは水深の関係で、派手な目印変化することが多い。従って、合わせのタイミングは簡単である。
 但し、釣り方で説明した通り、仕掛けエサの流し方を流速よりやや早い、穂先から水面までの仕掛けを弓形に緩めて流す、竿捌きをする。この状態の仕掛けエサ流れなら、渓魚のアタリは仕掛けたるみの移動で、的確な目印変化を伴う計算になる。
 この仕掛け流しを怠れば、アタリは手感に伝わり、魚バレになり、深瀬釣りはできない。

最後の審判
何度も繰り返した釣法の技は繰り返すことによる、釣り記憶を脳裏の奥底その隅々にある脳細胞一つ一つに刻ませ残し、確実にインプットさせるためだ。それは自分自身にいっていることでもあり、現在、やっているパソコンの固まりと同じで、しばし固まる我が脳ミソ始末でもある。
頭脳明晰な読手諸氏の優れた才能なら、こんな繰り返しの釣法は不要だろう。この点、遺憾の意を申し上げる。
以下は再度の繰り返しになる、大ミヨ釣りに性懲りもなく挑む。されど、脈釣りマニア必見であると信じて、書き始める。

大ミヨ入門の勧め
渓流釣る入門 15 渓流流速分解の最後の審判の続きになる。
最初に断っておく。この釣り方は非常に難解だ。問題の解決には至らず、未完成した大ミヨ釣りながら、同胞の渓流担い手に捧げる。

大ミヨ誕生
表面流れの主流
 平らに流れているように見える渓流の流下面に、大小のおうとつ(盛り上がり)があることに気づく。
 盛り上がる水中下には底石があって、上部からの吐き出し渓水圧が底石に当たり、その反作用で水流は上部に盛り上がる、上げ波になる。
 この上げ波は底石が大きければ大きいほど、上げ波は成長し、渓水圧と深く関わり渓水圧が大きければ上げ波は大きくなる。上げ波が最高潮になると、反動で今度は下げ波になる。

表面流れの水中下にできる、中層波平面流れを検証
 水中下にある底石の影響で、上げ波から緩い下げ波(沈み波)になる。このとき底石の両サイドには水中巻き込みできて、右ミヨ、左ミヨができる。
 左右のミヨは流れの下部で合流、その下流に大ミヨが誕生する。

未完の大ミヨ釣り
 改めて表面流れを観察。
地上の表面流れは水中に点在する沈み底石の影響で、盛り上がったり沈む様子が明らかになった。
主流の流れは上部の吐き出しエネルギーで、その大きさが決まる。
強力な主流であれば、わずかにできる副波にできたミヨを投餌点として釣る。しかし、目標の大ミヨの誘導は難しく、水中底石の大小、水中底石の位置によって、大ミヨのポイント誘導が決められてしまうという、現実に直面してしまう。

大ミヨ釣り
 川幅10m、水深3m、主流の幅6m、左右の副流2m、左右の止流2m。中央に大岩の沈み石があり、水中大岩で分流された、左右のミヨは流れの下部で合わさり、大ミヨができている深瀬を釣り場に選び釣りに入る。
 主流中央下に大物渓魚が定位している。この大ミヨにいる魚の定位位置まで、どのように仕掛けエサを導くことができるかが、勝負の分かれ目である。

本日の仕掛け
竿・・・琥珀 硬調 7.1
道糸・・・0.6号通し長仕掛け
目印・・・3ヶ所
オモリ・・・2Bと3B
ハリ・・・ヤマメ細地9号
エサ・・・山バッタ
釣り場・・・北アルプス北又谷

1 釣り座を上流の流れの左側(右岸)にとる。
理由は右利きの釣り人に有利だから。
2 水中大岩によってできた左右のミヨから、右ミヨを投餌点とする。
理由は釣り座から仕掛けを振り込む際、簡単に仕掛けを投入できるからだ。
3 7mの長竿、長仕掛けを2の目標地点に仕掛けエサを軟着水させる。
4 着水させた仕掛けエサを直ちに竿送り、エサは右ミヨ下り波効果で沈んでいく。
5 水面竿角度60度、仕掛け竿角度120度を守った竿捌きをする。
6 副流にできたミヨから、魚のいる場所まで3m。この間、上層波は上げ波なので、仕掛けエサを上流から、斜め中央へ誘導させることは難しい。
7 投餌点位置を変え、繰り返し振込むものの、中層波上げ波に持っていかれ、仕掛けエサは浮き上がってしまう。
8 腕が悪いゆえ、やむを得ずオモリを3Bに変えて再挑戦。今度は下層波位置へ、仕掛けエサを一気に沈める作戦をとる。
9 8の作戦が当たり、アタリがでたが大物渓魚ではなかった。原因は中央の定位しているポイントへ、仕掛けエサを導くことができなかったからである。

まとめてみれば
 自分の技量では大ミヨ釣りはできない。
案の定、大ミヨつりは失敗に終わる。
次回に乞うご期待といきたい。
未完の釣りは幻影では済まされまい。
イワナ遍歴50年が泣いている。
再挑戦する決意で終了する。
この項は不満足。
遺憾の意を申し上げて、謝ります。ご・め・ん。な・さ・い・・・。


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by yuyugaku-ueno | 2008-02-22 07:17 | 渓流釣り入門
2008年 02月 21日

35 渓流釣り入門 16 新編実践渓流攻略法の1「平瀬」

16 新編実践渓流攻略法の1 「平瀬」

可児とうじ(記憶している名前、間違っていたら謝ります)という偉い河川学者の渓流に関する論文のなかで、河川と勾配について発表した記録を読んだ記憶がある。
 定めた渓流の距離間において、上流、中流、下流における“曲流の数”を調査した結果、勾配が強くなると曲流部が増える。こんな着目点を発見した。
 自分の源流遡行で可児氏の意見を照合させれば、おおよそ納得できる調査論文に対して感心させられた。さらに、調査記録日である昭和20年以前であることに、驚いてしまう。
 「記憶している事実」を思い返せられる要素を考えると、記憶した内容に強烈なインパクト与えられたから、古い記憶でも思い出せる。
 これから渓流攻略法を述べる。これまで自著に渓流釣り場ポイントの攻め方を解説した。その内容を読んだ読者の記憶は如何なる行方をたどったのか? 各自の脳裏に確実に記憶されているのか? 反響の答えは不明である。
 書き改めること数回、今度こそ各々に新しい記憶を残せるように、一生懸命やってみる。
 解説する前に、渓流釣行は盛期のイワナ釣りを目的とする。さすれば春、秋の釣りに応用できるからだ。

平瀬の定義
 平瀬とは水深の浅い、緩やかに流れる広がりのある、明るい平坦な渓流ポイントをいう。渓魚にとって成長する場、生活する場、産卵する場、避難場、エサ捕り場を提供してくれる場所になる。
 平瀬は以上のように、渓魚に一瞬の安らぎを与える安息地になる。同時に釣り人には最高の釣り場ポイントを開示させてくれる。

ポイントの選定
 突き出た岩、沈み岩石、沈み小石のなかを平瀬は流れている。
 攻めるポイントは流下水面すべを狙い、日和、入渓密度、食い状態で釣行日における渓魚の着き場(定位位置)を素早くつきとめる。

竿と仕掛け
 6~7m.の竿
 中仕掛けで対応する。
 ロッドの振り込みで渓魚逃げにあった場合、長仕掛けに変更する。

釣り方
 1 スタンスの構えやすい釣り座に立つ。
 2 ロッドをやや渓側に倒し、上段あるいはやや肩位置から、仕掛けを回転させる要領で、手首のスナップと竿のしなり、反発力を利用して、振り込む。
 3 竿の角度は渓流面に対して、60度で止める。
 4 竿を止めた瞬間、仕掛けエサは目標地点に向かっていく。
 5 決めていた投餌点に仕掛けエサが着水する前、やや竿を送り込む、竿捌きをする。
 6 送り込み作用で、仕掛けエサの勢いは弱まり、エサから目的着水点に軟着水する。
※ 竿の振り込み角度が低いと、魚逃げ、仕掛けベタ(仕掛け全体がエサと同時に着水)となる。仕掛けエサの投入は、自然落下エサを演出させる。
 
竿の操作
 1 エサから水面に着水させたら、直ちにロッド下げながら送り込む。
 2 ロッドの送り込みに合わせ、流速よりやや早い竿の移動をする。
 3 2の操作で、水面から竿先にかけての仕掛けは、やや弓形に膨らんでいる。
 4 2,3と続く一連の動作の最中、全神経を目印に合させておき、常時、合わせタイミング状態にして、竿操作をおこなう。
 ※ 初心者であれば、竿捌きが困難である。この場合、渓流と平行する横ポジションに構えて、対処する。慣れてきたら、渓流の流れと同じ縦位置を釣り座にする。

合わせのタイミング
 合わせは目印の変化した瞬間に、合わせる。
 具体的な合わせは、渓流釣り入門 12を参照する。

最後の審判
 投餌点に着水する仕掛けエサの角度は重要だ。
 竿と渓流水面角度、60度。
 竿と仕掛け角度、120度。
 理想の竿捌きを実施するため、以上に挙げた竿の振り込み角度の原則を守る、釣り技の癖を自然体で会得したい。仮に仕掛けと竿の角度が合わない場合、仕掛け長さを釣り場に合わせて調整する。
 実際の竿捌きでは当然、投餌点以降の竿操作で理想の竿角度は変化する。しかし、下流へ移動した仕掛けエサの抜き返し、それは最初の仕掛け角度120度原則を守って終了する。
 結論はこうだ。竿を振り込む上流水面角度は60度、終了下流水面角度も60度。この理想の竿角度を繰り返し、ポイントを下部から順序よく探ることが平瀬釣りの鉄則である。

余談ながら、自分自身の職業漁師時代の平瀬釣りを紹介する。

 なぜ好んで平瀬を釣るのか?
 平皿サイズ7寸級渓魚の棲家になっていて、落ち込み、滝、深瀬などのポイントより攻める場所が多く、効率の良い釣りができる。
 言い換えれば、釣りでの勝負が早い。

 渓魚エサ食い時間帯に平瀬を当てる
 午前6時~10時まで、渓魚が最もエサを食う時間になる。そこで午前の4時間、渓魚を能率よく釣る実績で、手間賃アップにもつながる工夫をこなした。
 渓魚釣りプロであれば午前で勝敗は決まり、一日の釣りは終わる。
 私の場合、午後に隠しイワナ場をつくっていた。

 当時の平瀬釣りを再現
 竿・・・二間半、四本つなぎ竹竿
 仕掛け・・・2号通し、長さは短仕掛け。オモリ、目印なし
 ハリ・・・ヤマメ10号
 エサ・・・オニチョロ(カワゲラ)
 魚篭・・・100尾入り木製自作木箱

 釣り方
 1 平瀬の下部から順序よく一発ずつ引く。(引くとは釣ること)
 2 エサの操作は自由自在。
   流す、叩く、上流へ移動、流れより早く引く、斜めにそらすなどのテクニックを使う。エサを自由に活かした。
 3 合わせ。
   エサの操作中、渓魚が食いついたとき、合わせる。
大半の合わせは仕掛け変化のない、勘で合わしていた。

 まとめてみると・・・
 今から40年前の釣りは以上の通り、渓魚の生息状況はよく、釣り愛好家は皆無での釣行で、現在に通用する釣り方ではない。しかし、伝統的な日本式脈釣りの守り手を担った、職業渓流漁師としての、生活を賭けた歴史的伝統文化遺産記録は重要と判断している。


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by yuyugaku-ueno | 2008-02-21 05:55 | 渓流釣り入門