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植野稔の自然遊悠学 イワナだ! ヤマメだ! 山菜だ! きのこだ!!

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2008年 07月 23日

264 ブナとイワナと雪渓と その2

サバイバル山行、2日目は山越え
サバイバル山行における、最大のテーマ、それは反対側の渓流に山越えすることだ。
一般のイワナ釣りにおける、ベースキャンプ設置で行動するのだが、今日はバリエーションルートを選択しての山越えを予定している。
それには的確かつ安全ルートを選ばなくてはいけない。
そこで、地形図を読み、反対側への最短ルートを歩くことになる。
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ブナのテン場から、本流を遡行し、左岸から流下している小沢が今日の山越えルートになる。
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山越えには、地形図と磁石が必携品となる。
それに当たり前だが、アタックザックには必要最小限の荷物を整える。
こんな軽量化を心がけ、体力の消耗を少しでも軽減したい。
山越えに慣れれば、おのずから装備は限定され、あると便利な道具は持参しないことが大切になる。
例えば、キャンプ、釣りで一度も使用しない装備はいらないことになるので、初心者は参考になろう。
今回、自然遊悠学参加のハマちゃんは、ベテラン釣り師、山岳会所属のアルピニストであるから、さすがと思える、優秀な装備で参加してくれた。

06:30 ブナ平のキャンプ地を出発する。
今日遡る小沢ルート、おそらくこれまでに一人の岳人も登ったことがない沢だろう。
それはもしかすると、小沢初遡行になる記録を意味し、なんとなく面白い心境での遡行になった。
但し、イワナ荒れ、渓荒れを考慮し、場所を明かさないことを、最初にお断りしておく。ご了解ください。
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ツキノワグマの寝床。
目的のつめ上がり稜線は熊の巣といわれ、昔から地元、クマ狩り猟場だ。だから、至る所、クマが今の時期、食料にしているシシウドを食べた痕跡がある。それが新しいから面倒だ。
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快適に沢をつめる、ハマちゃん。

休み場で対岸のブナ林を見れば、特徴のあるピークを覆うブナ原始林が見事に連なっていて、次回の冬季山行に登ってみたい山を提供してくれた。
小沢を忠実につめ、コルを目指す。
私の計算では、山越え最短ルートとなるコースを予定していたが、岩場交じりの草付きなので、計画を変更し、そのまま小沢を上りあがることにする。
さすがは源頭部、残雪の消えた場所の斜面に山菜が出ていた。
休憩を兼ねて、ウド、ウルイ、イヌドウナを採集する。

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09:30 コルに着く。安堵するハマちゃん。
      磁石で、現在地を確認しする。
09:40 沢の下降、開始。のんびり休む時間はない。

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ブナからの恵み、ナラタケ発見。今夜のあかずにする。

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心配していたハマちゃんのフエルトソールがはがれてしまう。
テーピングで修理する。

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平凡な渓から次第に落ち込みが出てきて、渓は良くなる。
案の定、イワナの魚影があって、渓下降の活力になる。
残念だが、イワナ釣りをやる時間がない。

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スノーブリッジを越える、ハマちゃん。
1日目の渓スケールには及ばないものの、こじんまりした草付きスラブのおかげで、雪渓の残骸、スノーブリッジがでてきて、気が抜けない下降になる。
すべての写真は公開できないが、面白い飾り廊下を展開する渓に不満などない。



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ゴルジュを下る。
沢下降の醍醐味がここに集約される場所だ。
幸い、泳ぎはなかった。

17:00 2日目のテン場、着。10時間30分の遡行、下降になった。

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サバイバルガイドの私。

18:00 夕食。 
2日目の夕食
ナラタケの味噌油炒め。
ウドの味噌油炒め。
山菜おひたし
 イヌドウナ、ウルイ、アマドコロ。
もち米いりご飯。

19:00 お茶を飲む。
20:00 雨が降ってきたので、テントに入る。
21:30 シュラフに入り、山の話をしながら、いつの間にか寝てしまう。

■2日目の総括
今日下降した渓、私の釣行記録もあるが、記憶はほとんどない。
ただ、8寸から9寸クラスのイワナをつった良渓だけは覚えていた。
また高巻き地点はさすがに記憶があって、的確に処置できた。

2日目の計画では再度山越えで、1日目の渓の戻る予定だったが、ハマちゃんのフエルトソールがはがれてしまい、断念。そのまま渓を下降した。
そのおかげで、雪渓、山菜、きのこにありつけ、思いのほかラッキーだった。
下降した渓は再度、自分の記憶にとどめたい。

普通の釣り人となら、2日目に釣りをやることが常識ながら、自然遊悠学が考えている、山を歩くことも、イワナ釣りの一部である。こんなことがあって、2日目はイワナを釣らなかった。
ほとんど釣り人の往来がないので、源流イワナは簡単につれるかもしれない。けれども今日は山越え、沢下降、ゴルジュ下降、雪渓と突破が、今日のイワナ釣りだ。
同行のハマちゃん、私が考えている「岩魚哲学」に理解をしてくれたことが嬉しかった。

イワナ釣りはできなかったが、全景ブナ林の接することができて、、忘れられぬ、ブナ旅になった。

by yuyugaku-ueno | 2008-07-23 09:24 | 自然遊悠学レポート


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