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2008年 03月 07日

96 ブナハリタケ

 
ブナハリタケ<エゾハリタケ科ブナハリタケ属>

ブナハリタケのあらすじ
 ブナハリタケの持つ強烈極まる香りは、他きのこの追従を許さない個性あるきのこだ。一度味あえば忘れられない味覚を楽しめる。また、採集地が奥山だから、山地ブナ帯トレッキングを同時に遊べるよさを持っている。
きのこ狩りにおける人気急上昇中。

地方名あるいは愛称 
 カヌカ、ブナカヌカ、ブナワカイ、トゲカヌカ。

発生時期
 秋。9~10月上旬。

自生地
 ブナ帯のブナ倒木、立枯れに株状に重なり合って群生する。

菌類名 
 木材腐朽菌。

特徴と鑑定法 
 傘は半円形から扇形、寄生木に着生、3~10㎝きのこが重なり合い、吸水性を持つ。
 傘の裏には5~10mmの針状の突起がある。色は表裏ともに白。肉質は白。
 老菌になるとクリーム色になり、黄色の液状汁を生ずる。
 茎はない。

胞子紋
 白。
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採り方
 重なり合った株ごとに、根を揺する要領で樹皮を傷めないように、丁寧に剥がす。持ちかえりには、新聞紙で包む。
 雨上がりでは水分を含んでいる。この場合、軽くきのこを搾ることになるが、味はおちるといわれている。

下ごしらえ 
 きのこを塩水に晒し、虫だし。石づきの部分を料理ハサミでV字状にカットする。きのこを搾り、水切り。

保存方法
 重ねて持ち帰ると、きのこの内部温度が急上昇、鮮度劣化してしまうので、手早く下ごしらえして、早急に保存することが大切だ。
 1 虫食いのないブナハリタケの生冷蔵保存は、下ごしらえせず、新聞紙に包み、フリーザーバックに入れて冷蔵保存。一週間を目安に使い切る。

 2 塩漬け保存
 下ごしらえした、きのこを熱湯で茹でる。冷めるのを確認し、タルに塩を敷き、きのこを並べさらに塩を振り掛ける。この作業を繰り返し、茹で汁を最後に注ぎ込む。上部に落とし蓋を載せてから、蓋が浮き上がらないように軽い重石を載せる。

 3 下ごしらえした、きのこをサラダ油入の鍋に入れ、酒、みりん、醤油で味付け。冷めたらフリーザーバックに小分けして収め、冷凍保存。

料理 
 ブナハリタケは個性が強いので、合わせきのことの相性は最悪。単品使用がよい。

油炒め
 きのこの強い味を醤油で抑えて、賞味する。 
 1 下ごしらえしたブナハリタケを食べやすい大きさに、手で裂く。
 2 フライパンを火にかけ、サラダ油を入れる。
 3 2にきのこを加え、酒、砂糖、醤油で調味する。
 ※ 醤油に換えて、味噌味でも良い。

野菜炒め
 きのこの香りを野菜にのせていただく。
 1 食べやすい大きさに野菜を切る。
 2 フライパンを火にかけ、サラダ油を入れる。
 3 野菜が半生のとき、下ごしらえしたきのこを加え、塩とコショウで調味する。
  ※野菜は長ネギ(玉ネギ可)、ピーマン、ニンジン。キャベツ。
  ※サラダ油に換えて、バターでも良い。 

煮つけ
 調味料できのこ味を抑えて、いただく。
 1 下ごしらえしたブナハリタケを食べやすい大きさに手で裂く。
 2 鍋に1を入れ、出汁、砂糖、醤油で煮詰める。
 3 器に2を盛りつけ、粉サンショウをふる。

和えもの各種
 好みの和え衣をつくり、和える。
 1 大根おろし和え。
 2 白和え。
 3 芥子醤油和え。
 4 芥子酢味噌和え。
 ※ ブナハリタケ特有の強い香りを弱める、和えものは美味い。

天ぷら
 ブナハリタケの香りを揚げ衣で包み込む。
 1 鮮度の良い生のブナハリタケを手早く洗い、軽く搾り、天ぷらサイズに手で裂く。
 2 天ぷら粉に1をまぶし、余分な粉はふるいおとす。
 3 2に薄衣をつけ、170度の天ぷら油で揚げる。
 4 器の3を盛りつけ、天塩を添える。

特選お勧め、ブナハリタケご飯
 ブナハリタケの香りをご飯にのせていただく。
 1 米を洗いザルにあげる。吸水に30分。
 2 下ごしらえの中型きのこを1㎝程度に手で裂く。
 3 鍋を火にかけ、サラダ油を入れる。
 4 3にきのこを入れ炒め、出汁、醤油、みりんで調味。味を含ませる。
 5 炊飯器に1と適量の水、醤油、酒、各大さじ3、昆布15㎝、4を加えて炊く。
 6 米が煮立つ前に、昆布をとりだす。
 7 茶碗に5を盛りつけ、熱々をいただく。
     
孤軍奮闘記
 主にブナに寄生するブナハリタケは奥山きのこの代表である。同じ奥山きのこ、ナメコ、マイタケが広く一般食卓に受け入れられたが、ブナハリタケは強烈な香りを好む人、好まない人に分かれてしまう。しかし、独特の匂い、シャキとした歯ごたえと喉こし感を食した場合、やみつきにさせられてしまう美味さが魅力。こうして、山入り詣でるに至る。

 奥山きのこ派の名人クラスになると、目的のきのこを出発前に予め決めておく。例えば、ナラタケの旬が終了すれば、次ぎに出る獲物はブナハリタケだ。ラストにナメコとムキタケ。という具合に、ターゲットをしぼりこむ。

 大方、計算通りにきのこは収穫できる。きのこプロの経験はさすがに鋭く、山生活の糧(かて)とした、卓越した感、技術を私たち一般人のきのこ狩りに応用したいものだ。


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by yuyugaku-ueno | 2008-03-07 08:36 | きのこ図鑑


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