植野稔の自然遊悠学 イワナだ! ヤマメだ! 山菜だ! きのこだ!!

yuyugaku.exblog.jp
ブログトップ
2008年 03月 06日

91 ナメコ


 ナメコ<モエギタケ科スギタケ属>


ナメコのあらすじ
 奥山きのこを代表する、ナメコ。特有のぬめりは日本人好みの味覚を提供してくれる、ブナ帯が発生地。当然、山地トレッキングになり、森林浴を兼ねたきのこ狩りができる。
 11月15日に狩猟は解禁され、出盛りナメコ狩りは猟銃発砲に注意。

地方名あるいは愛称
 ナメタケ。ナメラッコ。ヌイド。ホンナメコ。ヌラボコ。ノエド。

発生時期
 秋~初冬(10~11月)。

 自生地
 広葉樹の倒木、立枯れ木、伐根、に束生あるいは群生。特に山地のブナに寄生している場合が多く、採集適地。
d0134473_774335.jpg


菌類名 
 木材腐朽菌。

特徴と鑑定法 
 傘の径3~10㎝、つぼみは半円球形、生長すると扁平にゆがむ。傘の色、濃黄色のちに淡褐色、強い粘性がある。傘肉は淡黄色。
ヒダは密、色は淡黄色で柄に直生。
 柄は長さ5~12㎝、色は淡黄色、強い粘性があり、上部にツバがあり、中空。

胞子紋
 褐色。

採り方 
 樹皮を剥がさないように、株ごと手で採集する。

下ごしらえ 
 1 採取したナメコを塩水(3%)にしばらく漬けておく。
 2 食べられない柄(淡黒色)を料理ハサミで切り落とす。
 3 流水で一個ずつ傘、ヒダに付着している枯れ葉、ゴミを除く。  
 4 きれいになったナメコを流水で数回洗う。

保存方法
 1 下ごしらえしたナメコを熱湯で軽く茹でる。冷めてから、熱菌消毒したビンに入れ、醤油、酢、塩、ホワイトリカーを数滴たらし、ビン詰め冷蔵保存。
 2 下ごしらえしたきのこを熱湯で軽く茹でる。冷めたら、漬物タルに入れ、塩漬け保存。
  ※ 塩分濃度は過飽和状態にする。
 3 下ごしらえしたナメコをビニール袋に入れて空気を抜き、ジッパー付き保冷パックに収め生ナメコ冷蔵保存。10日間を目安に使い切る。

料理
 ぬらめきを活かした喉こしの良い一品に仕上げる。

特選お勧め、大根おろし和え
 天然ナメコ味をおろしダイコンでいただく。
 1 つぼみ、半開きのナメコを茹でる。
 2 ナメコをザルにあける。(茹でた汁は味噌汁などに使う)
 3 大根おろしを作る。
 4 食べる寸前に2,3を和える。
 5 器に4を盛りつけ、糸かつお節を天盛り。
 ※ ナメコはフライパンでからめる(煎る・山形県郷土料理)方法もある。この場合、からめてから、醤油に軽く浸しておき、味を含ませる。茹で上げナメコ味の上をいく、無駄のない上品なナメコおろし和えに仕上がる。

網焼き
 ナメコの素朴な味を食べる。
 1 下ごしらえした開きナメコはペーパータオルで水気を拭く。
 2 炭火をおこし、中火の遠火の位置に網を置く。
 3 ナメコの傘表面を焼く。
 4 きのこからジクジクした水泡がでたら、食べごろ。
 5 器に4を盛りつけ、醤油をつけていただく。
 ※ 醤油にかえて、マヨネーズと醤油を混ぜたタレをつけて食べても美味い。

卵とじ
 ナメコに卵の旨みをのせていただく。
 1 卵を割りほぐす。
 2 下ごしらえしたナメコを使う。 
 3 フライパンを火にかける。サラダ油を入れる。
 4 油がなじんだら中火できのこを炒める。
 5 ナメコ汁がでたら、1を回し加え、塩、コショウで調味する。
 6 ナメコの色が変わったら、醤油を数滴たらして香りをつける。
 7 平皿に6を盛りつけ、スプーンを添える。好みでミツバを刻んで入れる。

ホイル包み蒸し焼き
 きのこの旨みを丸ごといただく、ホイルを開ける楽しみがある簡単料理。
 1 30㎝に切ったアルミホイルを2枚重ねる。
 2 1にナメコを入れ、バター、酒、醤油を加え、ホイルを包む。
 3 蒸気の上がった蒸し器(フライパンに水を入れても可)で5~8分間、加熱。
 4 器に3を盛りつけ、レモンを添える。
  ※ ナス、長ネギ、ニンジン、白身魚をホイルに入れることもある。
 
酢のもの
 きのこを酢でしめれば食欲をそそる。
 1 きのこを熱湯で茹で上げる。
 2 酢1、出汁1を合わせ、醤油で味を整える。
 3 1,2を和える。
 4 器に3を盛りつけ。刻みノリを天盛り。

ナメコと豆腐の味噌汁
 きのこ鍋
 きのこラーメン
  具として、下ごしらえしたナメコを使う。

孤軍奮闘記 
 かつて、ナメコは奥山きのこ派のマイタケと共に、秋における山人の貴重な現金収入だった。山岳地を糧とした山の生活者はマイタケ採り終了後、再び山入し、ナメコ採りを積雪期寸前まで山中を歩き続けた。マイタケが晩秋に採れる、クロフを最高級品であるように、ナメコも霜のおりる初冬にかけてのきのこを第一位とする。霜ふりナメコとでも名づけたいくらい、ビロード色の肉厚、柄太のきのこが奥山に発生している。このナメコは強烈な粘性、シコシコ感の重厚な歯ざわり、飲み込むときのヌルッとした、のどこしは早出(走り)ナメコが裸足で逃げ出すくらい絶品な味に脱帽してしまう。しかし、奥山ナメコは次第に栽培ナメコにその座を奪われ、山の経験者不足が収穫量の減少を伴い、大座墜落の拍車をかけ今日に至る。

 ナメコに限らずきのこの味覚とは、視覚から伝わる、形と色がプロローグ。きのこ形をした半開きから開きでなければ、きのこではない。生長するに従い、きのこのヒダに旨味の成分が蓄積されるからである。

 また、山採りきのこは成菌を料理することに意義がある。当然、そのきのこには、食用に耐えるだけのきのこらしさがある。然るに、老菌きのこを加えてしまえば、出来あがりの味を損ねてしまう事に留まらず、これでは、せっかく天然きのこを山地まで採集に行った意味を失う。

 最後になったが、ナメコファンの一人としていっておく。ナメコは土臭い香りがするのは確かだが、下ごしらえさえ充分に行えば、ほこり臭さは消えてしまい、ナメコのぬめりと旨味だけ残り、奥山の香り漂うきのこ料理に仕上がる。繰り返すが、ナメコ料理は水洗いが料理のすべてであると断言して良かろう。


■『植野稔のホームページ』をどうぞ。
[PR]

by yuyugaku-ueno | 2008-03-06 07:03 | きのこ図鑑


<< 92 今日の下野その近況      90 山菜の冷凍保存 >>