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植野稔の自然遊悠学 イワナだ! ヤマメだ! 山菜だ! きのこだ!!

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2008年 02月 23日

37 渓流釣り入門 18 新編実践渓流攻略法の18「落ち込み」

18 新編実践渓流攻略法の3「落ち込み」(大淵)

渓流釣り場を構成する要素を考えると、大部分を占める“落ち込み”の存在が知られている。
 本流から支流の沢へ釣り場を変えれば、勾配の強い源流では落ち込みの連続する、釣り人天国が続いている渓相に満足してしまう。
 釣り人の釣行地にある、落ち込みをどのように攻略するのか? 渓流の大半部分を上手に釣る、最善の手法を考えてみたい。

落ち込みの定義
 渓流の流れが大岩石、流下岩などで堰き止められ、上流の水量が散りばめられた多数の大石で渓水を盛り上げる。そのエネルギーは下部周辺を侵食させ、淵を構築させる。
 集められた大岩から吐き出された渓水が落ち込む、淵を「落ち込み」あるいは落ち込み淵、大淵と名づけられている。
 今から進める3種の淵の呼び方を一般沢登りで普及している“落ち込み”に統一する。
 渓魚にとって、落ち込みの存在は如何なる場所かといえば、稚魚の避難場、成長の場、成魚のテリトリー範囲などに使われている。
 釣り人の立場に立つと、平瀬、深瀬の難解なポイントではなく、釣行しやすい渓相を提供してくれる、有り難い場所になっている。

ポイントの選定
落ち込みの種類
 落ち込みには渓流を構成する規模によって、大、中、小の種類がある。それぞれの落ち込みに特徴の差はなく、大きさによって釣り技術が異なることはない。

落ち込みの解剖
 落ち込みの性格で比較的水深は浅い。深瀬のように水中下の流れ波に怪奇現象はなく、渓流表面の流れを区分けすれば説明できる。

 主流
上部から吐き出された流水の主な表面流れを落ち込みの“主流”と呼ぶ。
 主流は落ち込みの水勢が弱まる、ポイント最終地点に深瀬同様なミヨをつくる。

ヒラキ
 主流でつくられたミヨのことを落ち込みにおける“ヒラキ”と名づける。
 ヒラキはミヨであるから、落ち込みポイント最大渓魚の定位位置に当たる。

巻き込み
 主流の流れの大半はそのまま下流へ流下する。その一部は落ち込みが広がる、両岸に回転する流れになる。この回転流れを“巻き込み”と呼んでいる。
 巻き込みは落ち込みにおける、第二ポイントといえる2ヶ所の釣り場となる。
 釣り人の狙い目、巻き込みは主流から弾かれた流下エサの集まるミヨであるから、丹念に探り釣る。

竿と仕掛け、本流
 竿・・・6~7m
 道糸・・・0.6号 5m長仕掛け
 ハリス・・・0.4号 25㎝
 目印・・・3ヶ所
 オモリ・・・2B
 ハリ・・・ヤマメ8号
 エサ・・・川虫類

※ 沢釣りでは中仕掛けに変える。
 
釣り方
 ヒラキ、2ヶ所の巻き込み、合計三ヶ所ある落ち込みポイントを順所よく釣る。さほど困難な釣り場ではなく、渓流入門者向きのお勧めである。

ヒラキ釣り
1 立ち込みやすいサイドのスタンス(釣り座)を決める。
2 投餌点は落ち込み中央付近、仕掛けエサは上げ波から次第に下げ波になるから、投じた仕掛けエサはゆっくり沈んでいく。
3 落ち込み最終地点、ヒラキ数メートル遠方から振り込む。竿渓流面角度60度、竿仕掛け角度120度を守る。
4 ヒラキは平瀬釣りの要領と同じだ。竿捌きに余裕があれば、多少の誘いをかけてもよい。普通は流下速度にまかせる。
5 落ち込み第一ポイントの本命はヒラキしかない。仮に、ヒラキ定位渓魚を釣り人の不注意で上部に追い込んでしなったら、狙ったポイントはオシャカ(失敗の意)になる。個々では慎重な行動をとる。
 アタリがでたら、一気抜き。渓魚は暴れさせない。
 渓魚を騒いだ場合、次の巻き込み釣りは不可能。仮にアタリがでても正解な釣りにならない。
※ 落ち込みの小さい沢釣りでは、ヒラキは生まれないことがある。

巻き込み釣り
1 ヒラキ釣り終了と同時にスタンスを移動、上部の振り込みやすい釣り座に立つ。
2 第二ポイントの投餌点は主流と巻き込み入り口(主流から離れた巻き込みの始まり)に仕掛けエサを軟着水させる。
3 竿水面角度は60度、竿仕掛け角度は120度を保って振り込む。
4 振り込み終了から直ちに竿送りをする。この作用で、仕掛けエサは下り波で序々に沈んでいく。
5 巻き込みの流れ通りに、仕掛けエサを動きに合わせる竿捌きをおこなう。
6 普通の巻き込みであれば、巻き流れは投餌点に戻る。この間にアタリがでる。
7 6でアタリがでない場合、対岸の第三ポイントの巻き込みを探る。
※アタリがでたら、一気抜きする。

竿の操作
 水深のある落ち込みの場合、巻き流れでの竿捌きの際、緩い上下動の誘いをすれば、誘い効果で、渓魚の食いはたつ。
 水深が浅いときは、誘いをする必要はない。

合わせのタイミング
 止る。反れる。けしこみ。上がる。回転などの目印移動を確認した瞬間、合わせる。
 ヒラキ、巻き込み共に目印のアタリ変化は派手に動くことが多い。従って、合わせのタイミングは容易となる。

最後の審判
 落ち込みの釣りは簡単明晰、手軽に釣行で切るから初心者向き釣り場にお勧めポイントだ。これといった問題提起は見当たらない。


■『植野稔のホームページ』をどうぞ。

by yuyugaku-ueno | 2008-02-23 07:22 | 渓流釣り入門


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