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植野稔の自然遊悠学 イワナだ! ヤマメだ! 山菜だ! きのこだ!!

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2008年 02月 19日

33 渓流釣り入門 14 日和

14 日和
 「今日はよい日だ」と挨拶する時候のことを日和と呼んでいる。人レベル日和が存在するのと同じ条件で、釣行における日和もある。
 この項では様々な日和を取り上げ、その対策を練る。
 
渓魚水中日和
 渓流水に含まれている酸素を取り入れ、生きている渓魚だから、渓流水の自然的影響には敏感になっている。
 では具体的に水中日和について考察してみる。

1 平水水位日和
 季節別に現れる、その季節、その日における渓流の安定水位のことを平水と名づけている。さらに詳しくいえば、降雨によらない自然状態での水位のことで、渓魚側からみると安心できる食生活が約束される。
 決められた釣行では、平水水位日和に当たり、釣り人の真骨頂を問われ、面白い内容の釣り日となる。

2 増水水位日和
 季節を問わず平水水位を上回る渓流の増水状態日を増水水位日和と呼んでいる。渓魚にとって、予想外の食生活となる。平水以上の水位には多種あり、場合によってイワナ、ヤマメにとって生死を賭けた、生き残り戦略を講じる“ねこまくり”(鉄砲水)に遭遇。一瞬の間、天変地異災害に巻き込まれることもある。
 不安定な増水水位日和での釣行では、想定外釣果に恵まれことがある。しかし、趣味釣りも大切だが、人の命を守ることを最優先する行動をとることを胆に銘じておく。

3 季節による水温日和
 山地の流れは水流の集まりを併せ、渓流という河川を構成する。山には季節ごとの地温度が、だいたい決まっている。当然、渓流水は山地の地温度に影響され、渓流水温は保たれている。
渓流という季節別の渓流水温に左右されながら、変温魚類であるイワナ、ヤマメは2000m.級山岳地に棲家がある。
日本における魚族最高標高極寒地、劣悪な自然環境に対処できる渓魚の生き様に共感する釣り人は私一人ではあるまい。
次に一年を通して、渓流水温変化に対応する渓魚の生きていく有様を解説する。

春の水温日和(4月)
水温:5度
特別な河川を除く日本列島の渓流釣り場解禁になっている。
釣り人の関心の的、エサ食いは悪い。

盛期の水温日和(6月)
水温:12度
雪シロは終了、本格的釣行には最適期間。
渓魚の最適水温の下限、エサ食いは良好。

夏の水温日和(8月)
水温:17度
山岳源流釣行に最高な季節。
渓魚の最適水温の上限、エサの追いは最高。

晩期の水温日和(9月)
水温:15度
大物が移動する季節到来、魚止め狙いで本流を探る。
イワナ、ヤマメのアタリは最高になる。

冬の水温日和(1月)
水温:2度
渓流空間は積雪で埋まってしまう。
渓魚はほとんどエサを食うことはない。

渓流環境日和
 渓魚の棲家、渓流水面下以外の渓流空間における、自然環境での日和のことを“渓流環境日和”と名づけている。
 以下は渓流環境日和について解説する。

1 風日和
  突風、強風など大風による昆虫水面落下の影響で、渓魚の食いは良い。しかし、目印は風で揺れアタリ、合わせは難しく釣行不能になる。
  あいにく釣行日が風日和、こんなときは大川釣行から沢釣りに早めに転向するほうが得策だ。意外と渓流釣り場の方向を変えると風の弱い場所がみつかることがある。

2 雨日和
  雨具着用釣行ながら、平水から増水に変化する雨日和での渓魚アタリは活発になる。
  雨日和での釣行では増水水位を考慮し、早めの帰還を的確に判断する。

3 雪日和
  雪景色での釣行は趣がある。肝心の渓魚の食いは渓水温度低下で最悪になる。

最後の審判
  予め釣行日を決めているサンデーアングラーにとって、当日の日和に期待してしまう。前もって釣行日の天気情報で釣行を占い、指折り数えて来るべき日を待ち望む、夢心地は渓流釣り師冥利に尽きる。
  自然現象で起こる多種日和に対して、釣り人の深い洞察力で対抗しなければ、渓流釣行に支障をきたす。
  残念ながら、めまぐるしく変化する気象状況をかいくぐり、最良の日和克服に妙手はなく、釣行者自身で考え、新手法で事にあたる。


■『植野稔のホームページ』をどうぞ。

by yuyugaku-ueno | 2008-02-19 06:59 | 渓流釣り入門


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