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植野稔の自然遊悠学 イワナだ! ヤマメだ! 山菜だ! きのこだ!!

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2008年 02月 17日

31 渓流釣り入門 12 アタリと合わせ

12 アタリと合わせ
イワナ、ヤマメ釣りにおける最後の難関、目印に現れるアタリと合わせのタイミングであろう。
 以下は渓魚のエサを食う際、目印にどのような変化を与えるのかを考え、間一髪のタイミングでロッドを上げる、合わせのポイントの解説してみる。

アタリと合わせのタイミング
 渓魚が仕掛けの先端ハリについているエサを食った瞬間以降に、仕掛けに現れる様々な変化のことを“アタリ”と呼んでいる。具体的にどのようなアタリがあるのだろうか?

 1 流下する仕掛けが止まるアタリ。
  渓魚がエサを食いつけば、流れていた仕掛けは瞬間に止まる。
合わせは仕掛けの止まった間のあとで、合わせる。

 2 仕掛けにつけた目印は上下に動き、回転するアタリ。
  流下速度より、やや先にロッドを送る竿捌きのとき、仕掛けは弱い弓形に移動している。渓魚のアタリがあれば、水中下のエサは止まる。仕掛けが止まれば瞬間に、わずかな動きによる、目印の変化が起こる。
具体的に現れる目印の回転、上下動を生じる。この瞬間以降が合わせのタイミングだから、間をおくことなく、合わせる。

 3 目印が左右、あるいは上流、下流に不自然に移動するアタリ。
  緩くたるんだ仕掛け操作であれば、食らえこんだ渓魚は必ずエサに食いついたまま、移動する習性がある。
  合わせのタイミングは、目印に変化を確認した瞬間に、合わせる。

 4 仕掛けの目印が水中へ引き込まれるアタリ。
  ロッドにつけた仕掛けは緩い弓形から一直線に伸び場合、水中下ではエサを食った渓魚が隠れ場へ移動したアタリとして、仕掛けに現れた動きになる。
  合わせのタイミングは、仕掛けが垂直に伸びた瞬間に、合わせる。

 5 手感によるアタリ。
  目印に現れた仕掛けの変化を逃し場合、直接アタリは手感に伝わる。
  合わせはほとんど空振りに終わることが多い。アタリが手感に伝わってしまったとき、渓魚はエサを吐き出した瞬間でもある。

 6 仕掛けの目印に変化のないアタリ。
  場荒れした渓流に顕著に現れる、最も難解なアタリだ。ベテランの釣り人でも目印の出ないアタリを取るタイミングに苦慮するだろう。問題のアタリは全く目印に変化がない分、合わせは極端に難しくなる。

 水中での渓魚の動き
  渓流釣りで仕掛けを振り込み渓魚を狙い、理想に近いポイント攻めに成功したかに見えた。目印に変化はなく振り込んだ仕掛けを流し終え、再度仕掛けを投じようとしたとき、エサがなくなっていることに気づく。

  では次にエサのなくなった原因を考える。
  ハリ返しのあるエサ装着だから、川虫、昆虫、ミミズなどのエサ紛失はない。では仕掛けにつけたエサは何故なくなるのか? 答えは明解、流下するエサと同時に移動する渓魚が仕掛けの動きに合わせながら、エサのみを外し捕ることができる、スレ魚の優れ技による、賢い渓魚のせいだ。

  優秀かつ学習能力に長けた渓魚の合わせ
  正直、この手の渓魚対策は困難。そこで、なんとなくアタリを感じられる研ぎ澄ました第六感、阿吽の呼吸で合わせるしか解決策はない。実施でのアタリ確率の低い合わせになるが、自信のあるアタリ感を受けた瞬間、合わせる。
  漠然とした合わせではあるが、釣行を重ねて釣技向上を目指すテクニックを身につける、これといった秘策はない。アタリ感で合わせ、運よく渓魚をものにした経験から学ぶことが大切である。

変容する渓魚の掛かり方
  かつて2号通し仕掛けで釣り込んだ時代、ハリ先端部は必ず下流に向き流下していた。従って、渓魚のハリがかりは決まって、魚の上顎に掛かっていた。
  現在、仕掛けの微細化、細仕掛けになりエサは小波にもまれるように、回転しながら流下する。だから渓魚のハリがかりは上顎、下口、横と様々な口中に掛かることは、やむを得ない。

最後の審判
  渓流に棲んでいるイワナ、ヤマメ釣りを志し、竿、仕掛け、目印、オモリ、ハリ、エサを勉強した。この一連の道具選びの終了から、渓魚を釣るアプローチ、釣法を学び終えた。
  脈釣り最大の難関それはアタリ、一瞬の間をおいた、合わせなのだ。苦労して選んだ釣り用品を活かす、殺す、その仕上げであるアタリ、合わせ技術をマスターするには、ロッドを握る回数を増やし、精進を重ね繰り返し訓練するしか上手くなる手法は見当たらない。
  考えてみれば、実施する釣行より自分自身で考えた選んだ釣り用品、エサの採集、思考する釣り方、長く費やした時間は圧倒的に多い最中こそ、間一髪のタイミングで合わせる釣技の極めに、重要だったことが明らかになる。
  重ねて申し上げる。一つ一つの釣り道具。吟味した仕掛け。釣りエサの採集。その結集は必ず渓魚のアタリに開示されると信じて疑わない。


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by yuyugaku-ueno | 2008-02-17 06:33 | 渓流釣り入門


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