2008年 02月 12日

28 渓流釣り入門 9

9 エサ


ヘビ、ネズミ、モグラ、カエル、サンショウウオ、川虫類、トンボ、アリ、昆虫類、ブナ虫、ミミズ類、蝶類、蛾類、幼鳥、魚類など悪食といわれる、イワナの胃袋からでてきた捕食物。
 川虫、小昆虫、ミミズ類を食うヤマメ。
 以上の捕食物を考慮し以下にヤマメ、イワナに共通するエサを考慮したい。

販売品、用意できるエサ
  1 ミミズ
   鱗太郎、太ミミズなどと記載のある養殖ミミズ。
   山ミミズ(ドバミミズ)の代用品として使用する。
  2 人工イクラ
   生イクラとして商品化された人工イクラ。
   エサ持ちは良好、食いは悪い。
  3 鮮魚店加工イクラ
   人間の食べ物として加工された、生イクラ。
   エサ持ちは悪いが食いは良好。
  4 養殖ブドウムシ
   エビズルムシの代用品。
   早期の釣りに有効エサとなる。
  5 ヤナギ虫、菊虫、クリ虫
   早期のエサ。
   渓魚の食いは悪い。
  6 エビズル虫(ブドウ虫)
   市街地の林、海岸部の林に自生する、エビズルあるいはヤマブドウの茎に、ブドウスカシバの蛾が卵を産み付け、成長した幼虫を探して採集する。
   現在、ヤマメ、イワナの早期釣行に欠かせないエサながら、自然破壊開発のあおりで、入手困難になった。
  7 ハチの幼虫
   長竿でハチの巣を叩き落す作業を要する。軍隊攻撃ハチの逆襲に注意する。
   ヤマメ釣りに最高ランクのエサになる。

市街地、自分で調達できるエサ
  1 シマミミズ(キジ)
   ゴミ捨て場、堆肥場、牛糞場など市街地にある天然シマミミズを採集する。
   現在、農村部でも入手困難になっている。
  2 山ミミズ
   ドバミミズの愛称で大物渓魚釣りに使われている。
   市街地以遠から山地にかけての草むらにいる、山ミミズを掘り集め、ハッポウスチロールなどの大型エサ箱に多めの土を入れて、持参する。
  3 バッタ
   山バッタの愛称で大物渓流魚釣りに威力を発揮するエサ。
   市街地から山麓にかけて生息する、バッタの羽が退化した昆虫を網で捕獲する。特に、渓流沿いの山地にいることが多い。
  4 イナゴ
   山バッタの代用品として使う。
   市街地のたんぼにいる、イナゴを採集する。特に夏から秋の釣行に重宝する。

現地調達のエサ
 陸生昆虫
 渓流沿いに棲息する小昆虫を発見し、エサに使う。
 1 クモ類
   渓流沿いに自生している低樹木のあいだに、クモはクモ糸を貼っている。採集するクモはクモ糸の中央、あるいは端にいるから、クモの巣を振動させればエサがクモの巣に着生しと勘違いして、出てくるクモを捕まえる。
   石裏にいる地グモを捕まえて、エサにする。
   渓魚のエサ食いは抜群ながら、大量採集は無理だ。クモエサは主エサを補う。食い渋る、場荒れ気味に有効手段エサになる。また透明度の高い流れの緩い、日和の釣り場に優秀なエサとなる。
 2 蛾と蝶
   羽をとってえさに使う。
   渓流のポイントから外れた、止水状態の淵に水面を叩くエサに使う。
 3 トンボ
   羽をとり水面を流す、エサの表面流し釣りに使う。
 4 イタドリ虫
   イタドリの自生、生長した茎に小穴のあいたイタドリを発見したら、茎を割り採集する。
   夏から秋にかけて、水中昆虫不足のときに使用する。
 5 ブナ虫
   5~6月、ブナの葉が虫食い状態の現場に出会ったら、採集する。
   主にイワナ釣りになるが、ブナ虫発生、採集、エサとして使うと、エサ食いは絶好調となる、強力なエサになる。
 6 黒虫類
   渓流と渓流のあいだにある、川原、砂地、ゴーロ帯にいるゴミ虫の仲間を一般名で黒虫と呼んでいる。
   エサ釣りでは職業漁師の隠しエサとして使った。渓魚のエサが不足する夏、エサ食いの悪い日和、場荒れ気味のとき威力を発揮する。
 
 水中昆虫
  渓流の水中に棲んでいる川虫類を虫捕り網で採集して使う。
 1 カワゲラ
   オニチョロの愛称で一般に使われている川虫の代表。エサ持ち、食いは最高。特にイワナ釣りに良好エサとなる。
   渓流の低地から上流にかけて棲息しているから、採集は容易だ。
   カゲロウの持参法として、水コケを硬く搾り、エサ箱に入れれば3日間は生きている丈夫な川虫である。
 2 モンカゲロウ
   渓流下流にある泥混じりの砂地に棲んでいる川虫。ピンチョロあるいは砂虫の愛称で使われている。
   カワゲラ同様に使えるが、共食いをするので水コケを多めに入れる。
   保存は2~3日、生きている丈夫なエサだ。
 3 ヒラタカゲロウ
   瀬虫、ゾウリ虫、チョロ虫の愛称で使われている川虫。主にヤマメ釣りに有効なエサ。カワゲラに比べると小型エサなので、2~3匹を縫い刺しする。
   採集にはナメ岩に布製虫捕り網を下部におき、箒で上部から下部へ掃く要領で採集する。保存には重ねた布を水につけて、硬く搾り、えさ箱にしき、採集した瀬虫おき、持ち運ぶ。日帰り釣行向きのエサで、保存はできない。
   ヤマメ釣りに最高なエサになる。また、場荒れしたイワナ釣りにも使える。
 4 カワトビゲラ
   黒川虫、ザザ虫の愛称で使われている川虫。渓流の中、下流が棲家で水中下の大石裏に小石を集めて巣をつくる。
   採集は大石を持ち上げ、巣を壊して採取する。
   ヤマメ、イワナの食いは良くない。但し、渓流が増水した場合、他のエサ採集できないとき、黒川虫は流失されず石裏にいるので、採集可能な使い方ができる。
 5 ツツトビケラ
   ツツ虫、青虫と呼ばれている川虫。渓流の本流から離れた、沢の中流部に棲んでいる。沢すべてに棲息していることはなく、特定の河川のみにいるから、目立たないエサながら、幼虫の青虫、成虫前のツツ虫は抜群の荒食いをする。
   ヤマメ、イワナの秘密エサになり、このエサを食わない渓魚はいない。
 6 マゴタロウ虫
   イワナの大物釣りに使用できる、5㎝ぐらいに成長する大型のエサ。
 7 マダラカゲロウ
   甲羅虫、固虫、糞虫と呼んでいる川虫。沢の上流部にいる。源流行のとき、エサ不足を補うエサとして使用する。
   ヤマメ、イワナ共にエサ食いは悪い。

最後の審判
  一昔前のロッド、仕掛けと現在の釣り具を比較すれば差は歴然、残されたハリ先に付けられた釣りエサの良否が、イワナ、ヤマメを掛ける最後の審判といえる。
   早期、盛期、晩期における釣行の最良エサ選びは経験を重ね、自分自身で決断するしか方法はない。
   今いえることは完璧と思える、会心のアタリ、合わせであっても、常に自らの釣り技術に疑問を持ち、釣技に対して改善、工夫を熟慮することを忘れてはいけない。
   しかしながら、私の古い釣友の提案する、2号通し仕掛け、エサはシーズンを問わす、キジ一本。釣れても釣れなくても関係ない。こんな楽天家釣り人心境、気ままな釣行に歓迎する気持ちを理解することができる。
   然るに、理想のヤマメ、イワナ釣りを釣り道の深奥の果てまで深く思考したとしても、所詮、幻影釣法を探し求めているような気がするのだが……。


■『植野稔のホームページ』をどうぞ。
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by yuyugaku-ueno | 2008-02-12 08:31 | 渓流釣り入門


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