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2011年 06月 28日

1531 日本樹木図鑑  

オノオレカンバ

カバノキ科

カバノキ属

別名
ミネバリ、オノオレ。

分布
太平洋側本州。

生育地
岩礫地、岩ヤセ尾根を好んで生育する。

樹形
高さ20m、太さ1mに育つ。
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天井に向かって大枝を広げる。

樹皮
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古木になると、大きく裂けはがれる。


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白い楕円形皮目を生じる。


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先端が尖る。
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互生する葉。

新芽
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淡緑色葉を開芽させる。

冬芽
長卵形芽で越冬する。


雌雄同株。
雌花、赤い花柱を直上させる。
雄花、先端葉のなかから、花序を垂れ下げる。

根張り
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尾根上に根を張る。

用途
木ソリ、そろばん玉、高級器具材、櫛に使われている。

特徴
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巨樹になると、まれであるが他樹種に寄生される。
写真解説
主幹先端は折れ、右、青葉茂る樹種に寄生されている。
オノオレカンバは左の丸い枝のみで生きていて、気の毒としか表現できない。

孤軍奮闘記
比重が重く、水に入れれば、生木とて沈んでしまう。
古木樹皮の裂け目は大きく、割れるようにはがれるから凄まじい。
落葉樹のなかで、特徴ある主幹を維持し一見すればオノオレカンバであることを確認できる。
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樹冠を占有できるとゴツゴツ枝を伸ばす。
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他の樹木と競い合いながら生長する。
オノオレカンバは写真下の木、ミズナラ、アスナロに負けないように頑張っている。
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樹皮だけでも生きられる。
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岩尾根を好み針葉樹と一緒に競争しながら育つ。

ゴツゴツしたコブ状主幹になる老大樹を観察すると、推定樹齢は500年余。すでに心材部は空洞、樹皮辺材部だけで命を全うしている。
この樹を見るたび、その生命力に驚きを隠せない。
ブナ、イヌブナ、ミズナラトチノキ、サワグルミなどの広葉樹、アスナロ、ネズコ、ゴヨウマツ、アカマツ、モミなどの針葉樹はすべて主幹折れとなる。けれども尾根付近に生長するオノオレカンバだけ根付近の折れはない。写真掲載のオノオレカンバ幹折れは主幹先端だから例外だ。
おそらく岩尾根自生ゆえに、貧栄養化状態。樹木のなかでも「粘り腰ピカイチ」なのだろう。だから強風耐えができるのだと思う。
自分自身をオノオレカンバに投影させ、その驚異こそ我が精神維持へ託したい。
けれども世のしゅがらみは多々あり心折れになったら、オノオレカンバを連想させ、我が精神奮起エネルギー起因に変える。

下野県境尾根を歩けば、岩尾根に鎮座するオノオレカンバがいつもいる。
古木オノオレカンバ寿命は長く、これまでに出合った銘木と、我が命を比較すれば例外なくオノオレに見送られてしまいそうだ。
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by yuyugaku-ueno | 2011-06-28 18:55 | 下野・会津だより


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