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植野稔の自然遊悠学 イワナだ! ヤマメだ! 山菜だ! きのこだ!!

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2011年 03月 12日

1428  渓流賛歌

渓流エッセイ

第十二話  渓流師(たにし)たちのシーズンオフ

3月から幕を開けた渓流釣りも、9月いっぱいで禁漁期を迎え、その年のイワナ・ヤマメ・アマゴ釣りは終了する。禁漁後、解禁期間中に目標として掲げた、釣行計画実施の総括をやる。次に新しい年への釣り情報を入手、翌年度の釣行計画を立案すると釣り人シーズンは終了する。
「釣りが終われば晩酌三昧?」とはいかない。すでに佳境を迎えている、きのこの王様である深山幽谷の華、天然のマイタケを求めマイタケ師の跡を追う。
「舞いあがる」「きのこが舞っている」こんな表現がぴったりなのがマイタケ狩りだ。それは生のミズナラに発生する4kg、5kgクラスの大マイタケに出会えるチャンスある。時には一箇所で20kg.も出ている場合もあるから、発見すれば舞い踊りたい心境になる。
マイタケと同時期に楽しめる、マツタケ狩り。アカマツに発生するマツタケを採集できれば、一本7000円、一日の日当になる庶民にとって高嶺の花である。
10月半ばから味シメジの本命、ホンシメジがアカマツのあるコナラ林に出る。ホンシメジを採集できた場合、塩で味付けした油炒めは美味です。
絶妙な味に仕上がる、シモフリシメジ、ブナ林に発生するナメコと秋から晩秋まで、きのこ狩りが楽しめる。
「こんな山奥に魚がいた」魚止滝を越え、最源流部まで歩くきのこ狩りの良さは新しい渓流魚発見にもつながり足腰を鍛えられて、きのこを賞味できる一石二鳥の効果がある。
問題なのが12月、1月、2月の冬季間。アウトドアか積雪のため実施しにくくなり、寒さが行動を制約してしまう。しかし、この季節は広葉樹落葉期であり、山地肌がむき出しになる。山斜面を見られる季節でもあるから、悪絶極める廊下、滝、ゴルジュ突破ルート偵察に使える。
それでも時間のある人向き冬だからできる、スノーシューや雪山アタックもお勧めメニュー。来るべき釣りシーズンへ備える準備ができあがる。

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挿絵 奥田営子



数年前、共同通信社依頼による渓流賛歌エッセイ13編を各地地方新聞に連載。
このたび新聞著作権失効となった。
今日から13日まで渓流エッセイ連載を開始いたします。
新たに挿絵を奥田営子さんに描いていただきました。
文は生原稿です。
ご笑覧ください。

by yuyugaku-ueno | 2011-03-12 17:58 | メディア


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